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塩野七生でいちばん読んでる本

2010年3月28日 日曜日

塩野七生『人びとのかたち』(新潮文庫、1995、元本1993)

好きな著者については、
手に入る限りずるずる~と
なんでも読むのがわたしの主義です。

中学生の時『燃えよ剣』(新潮文庫)で
司馬遼太郎に出逢って以来、
その文章にまず惚れて、
大学生になってからかなー、
古本屋で文庫本になっているのを
かたっぱしから集めました。

まだ「街道をゆく」は週刊朝日
(しばらく読んでませんが、最近どうなのかな。
雑誌は全般売れてないそうですね)
に連載中だったので、
たまに立ち読みくらいはして、
単行本ではなく
文庫本になったものを手に入れる、と。

塩野七生は30代になってから読み始めたので、
遅い読者です。
いちおうわたしも女ですから(笑)、
女の人で波長の合う文章を読みたい、と
つねづね思っているところに、
率直・ユーモア・歴史を俯瞰から見ることができる、
というまさにぴったりの著者が塩野七生なのでした。

そうそう、切れ味のいい文章も好みです。

『ローマ人の物語』(新潮文庫)は、
オカネがなくなって続きが読めていませんが、
20代から関心を持ち続けている
神谷美恵子(1914-1979)のことを知るヒントとして、
キリスト教がローマ社会にどう定着していったのか、
非キリスト者である人から
解説してもらうのがわかりやすいので、
「キリスト教の勝利」を読むのを楽しみにしています。

で、実は塩野さんの本で
いちばん繰り返し読んでるのが
冒頭の本なのでした。

「映画鑑賞を読書と同列において
 私を育ててくれた
 今は亡き父と母に捧げる」

という献辞の通り、年季の入った映画鑑賞歴の持ち主が
映画をネタにあれこれ考えてエッセイを書いているので、
おもしろい。
今だったらブログを書いているような感じじゃないでしょうか。
考えるヒントがたくさんあります。

わたしはそれほど映画に入れ込んでいませんが、
本と同じくクラシックな映画が
若いころから好きだったので、
観ていなくても感覚としては
通じるところがあります。

いちばん好きなのは、
「優しい関係」。

  愛する人や親しい人々を傷つけることなしに、
  恋愛は成り立たないものであろうか。
  障害になるものすべてを轢き倒して進む馬車に
  似てがむしゃらに前進する恋愛だけが、真の恋
  だと思っている人が多い。他はすべて、妥協の
  産物だというのだ。

こういう書き出しで始まり、
『Same Time Next Year』(1978、アメリカ)
を紹介するのです。

いまアマゾンで検索したら輸入盤VHS
(DVDはないんですかねー?)が出てきたので
びっくりしましたが、そうか観られるんだ。
資金のめどがついたら購入に走るつもり。
字幕ないから英語を聴き取らなくては(笑)。

激動の1950年代から70年代のアメリカ社会
を背景にした、年に一回24時間だけ
逢瀬を繰り返す男女の話。
「来年も同じ時期に」という題名ですね。

日本では加藤健一・高畑淳子コンビの芝居が
ヒットしたと聞いていますが、わたしが
この本を読んで観たいな、と思った時にはもう
やってなかった。検索してみましたが、
DVDとかはないみたいですね。
芝居の脚本は日本語に訳されたものが
あるみたいなので、リンク張っておきます。

いま子育て中の同級生、富本牧子さんに、
「ぜひ観たいから芝居でやってくれないかなぁ」
と毎年、年賀状でお願いしているのですが、
やってくれるかなぁ。
何年先でもいいから、ホントに、やってほしい。

富本さんの二人芝居(「リタの教育」。有川博共演)を
観たことがあるんですが、
歳月が流れていく上にセリフの多い芝居で、
着替えと出入りが多くて大変そうでした。
*観た時の感想ありました。リンク先からたどってください。
これもそうなのかな。

今回は
本の紹介というより
思い出話ですね(^^;)。
こういう書き方ならいくらでも書けそうです(笑)。