あんなふうでありたいの思い、いよいよ強く(4)


一番最後のアンコールでは、二人だけでステージに出てきたので、また歓声が上がった。唄ったのは前に書いたように「Let It Be Me」。私ははじめて聴いたが、フランス・シャンソン界の大御所、ジルベール・ベコーの作詞、そしてクルツ・マニーというひとの作曲だそうだ。

山下達郎はこの曲のエバリー・ブラザーズ版ををこよなく愛していて、夫婦で結婚式に呼ばれたときには、必ずこの歌をデュエットするのだという。自分の番組でも何回かかけている。
歌詞を教えてもらったので、試しに訳したものをお目にかけよう。日本語になっていないへんなところもあるがそれはぱぐの力不足です。
原文は著作権上の関係があって出せないので、興味のある方はCDなどで探してください。
<そうさせてほしい>

きみを見つけた日を神様に感謝、
きみの周りにいたい
そしてお願いだ、そうさせてほしい。

この天国から連れ出さないで、
誰かにくっついていなければならないとしたら
今そして永遠に、僕にさせてほしい。


それぞれの時間に僕たちは出会う、
完璧な愛を見つける
きみの甘い愛なしでは
どんな人生があるだろう?

だから決して僕をひとりにしないで、
僕だけを愛すると言って
そしていつもそうさせてほしい。


それぞれの喜びのかけらに
誰かが沈んだ気持ちを味わうとしたら
悲しみに耐えよう、そうさせてほしい。

どんな代償があったとしても
犠牲にはしないよ。
それぞれの明日を通してそうさせてほしい

きみに対して祈る、
僕の言うことを聞いてくれたまえと
お願いだ、僕のためにどきどきして
僕のために。


そして決してひとりにしないで、
僕だけを愛すると言って
いつもそうさせてほしい、
そうさせて。

あらかじめ演奏は録音してあって、舞台の上はふたりだけ。
ときどき見つめ合って唄っていたのが、このーって感じだった(笑)。
意味は分からなくても"love me only" などという歌詞の断片と曲調で、これは愛を誓う歌だということはわかった。
終わって大きな拍手が起こった。


帰ってから長歌もどきを一首したためた。
  あんな夫婦でありたいと思う二人を目の前にして、
   きみへの想いいよいよ強くなった七月、武道館


(2000.7.11武道館にて、同7.16記)


この文を書くに当たって、ひぐらしひなつさん、藤岡さん、脇元さん、富田さんのご協力を得ました。ありがとうございます。



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