黒髪のしろくなるまで相寄ればいにしへびともさきわひ<幸>とせり
おめでたいことを二つ聞いたので、ことほぎの短歌を選んでみた。
ことほぎ、漢字で書くと「言祝ぎ、寿ぎ」。
ことばで祝う、ということなんだけれど、言葉にはたましいが宿っているというむかしのひとの考えから来たことで、ニッコク(日本国語大辞典第二版)には、補注にこんなことが書いてある。
……
ことばに現実をあやつる力があると信じられていた日本古代の言霊<ことだま>思想を反映した語であるとみられる。現代語においても単なる慶事であるというよりは日本古来の精神的伝統に合致した祝いごとに用いられることが多い。例えば新年、結婚、長寿、事業の継続や達成などの祝辞には用いられても、学校の合格や卒業、選挙の当選祝いには適切でない。
……
お祝いごとのひとつは、歌人の荻原裕幸さんが「近年の創作活動に対して」名古屋市芸術奨励賞を受賞することが決まったこと。
歌を作るだけではなく、短歌雑誌の編集とか、短歌関係のサイトのの管理とか、詩歌イベントのプロデュースとか、文字通り「活動」のひとなので、とてもうれしい。
ひょんなことからわたしもちょこっと短歌を作っていたことがあって、それをぱぐのだらだらさろんに載せたことで、電脳短歌イエローページからリンクしたいというメールを頂いたときには驚天動地だった。あのメールはたしか荻原さんから頂いたはずである。
もうひとつは、ふふふ、内緒なんだが、とてもめでたいことなので。
*標題は土岐善麿の歌。
「春の夜のともしび消してねむるときひとりの名をば母に告げたり」
というのもある。あとの歌を作ったのは還暦のころ回想して作ったものだそうだ。