再び仕事の連絡待ち
先日の面接の結果は×でした。乗り気だったので残念に思っている。
代わりの仕事の話をもらったのでまた連絡待ちです。
うーん、話しているとやる気無げに見えるのかなあ。家人は
「君はなんで自分で条件を狭くするようなことを言うんだ?」
と言うんだけど、体力が落ちているのがよくわかってるから(Wii Fitで維持したいと思っている。今のところ毎日続いている)、なんでもはいはいと気安く言えません。
どんな形になるかわからないけど書くことはほんとにやりたいから、そのための余力を残さないと。時間との勝負という気持ちがある。40代だってあっという間に過ぎるに違いないから。
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用賀駅から世田谷美術館に抜ける用賀プロムナードにある百人一首、77番崇徳院の歌
きのうはマザー・グース学会関東支部例会が下北沢であった。その前に世田谷美術館で「パラオ―ふたつの人生 鬼才・中島敦と日本のゴーギャン・土方久功」を観る。最終日なので人が多かった。
中島敦は高校の国語の時間に「山月記」をやって以来、ちくまの文庫版全集などいろいろ読んでいます。33歳で死んじゃったので未完が多く小説の数は多くありませんが、あの文章の切れの良さ、読んでいてすっきり頭が晴れるような風通しの良さが大好き。「弟子」というのが一番好きで、清書原稿を復刻したものが手元にある。読みやすい字です。
来年、生誕100年記念で神奈川県立近代文学館所蔵の直筆がDVDに収録されるそうです。おもしろそう。
中島敦がパラオに行っていたことは知っていて、土方久功(ひじかた・ひさかつ)と交流があったことは知っていたのだけど、土方自身については彫刻家というくらいのことしか知らなかった。
ところが、これがわたしにも関わりがあったんです!
『ぶたぶたくんのおかいもの』(福音館書店「こどものとも」、1970)という絵本の表紙に見覚えがあったので、スクリーンに映し出される「ぶたぶたくん」を見ていると、
(あ、きゃらめる!)
とふいに思い出し、確かにきゃらめるが出てきました。
ぶたぶたくんがお母さんに青いリボンを付けてもらって一人でお買い物に行く話なんですが、途中でからすのかあこちゃんに会う。お店はパン屋(おじさん)と八百屋(おねえさん)とお菓子屋さん(おばあさん)。おばあさんがゆっくりゆっくりしゃべる。
「お、や、お、や、ぶ、た、ぶ、た、く、ん、よ、く、き、た、ね」
という感じなんです。その前の八百屋のお姉さんが早口なのと対照的になっている。で、きゃらめるを買うんですけど、いやー30何年ぶりなのに(わたしが5歳の時に出た本です)、覚えてるもんだ、とびっくりしました。今でも「こどものとも傑作集」というのに入っているそうですから(図書室で現物と対面してきました)、読めるんでしょうね。
ついでに書いておくと、土方久功は土佐出身の明治の政治家である土方久元(1833-1918)の弟の子供です。久元の孫に築地小劇場を作って日本の新劇の基礎を作った土方与志(よし、1898-1959)がいますが、久功とは叔父甥(与志が甥)の関係で、築地小劇場のマークである一房の葡萄は久功がデザインしたそうです。
というわけでなんだか興奮してしまったので、マザー・グース学会関東支部例会には1時間ほど遅刻。同じ世田谷区内(用賀→下北沢)なのだけど遠かった。
また人数が少なめで、全部で7人。勉強会の分が一つ、会員が書いた本からのが一つ。前にも書きましたが伝承童謡なので、時代が下るに従って忘れられた歌もあるし歌詞が変わるのもありますので、全部を把握するのはなかなかできることではありません。わたしは基本的な資料になるイギリスの本を持っていないので、次の勉強会の担当が当たって困ったな。大きな図書館で探すか。
そのあと渋谷のパブに行って新年会。
“Toad in the Hole”(直訳すると「穴の中のひきがえる」、パンケーキの中にソーセージが入っている料理)とか、”English Breakfast in Pudding”(プリンの中のイギリス朝食。ベーコン、ソーセージなど。トマトソースで煮た豆とマーマイトという塩辛を煮詰めたような塩辛いものを乗せたトースト付き)、それに定番の”fish & chips”などを食べ、呑めるひとは英国ビールで盛り上がりました。
こんばんは。
こちらでもまた「ぶたぶたくん」に出会えました。
先日いつも読ませていただいているnumadeさんのブログで土方久功さんの記事を読み、久しぶりに「ぶたぶたくん」のことを思い出した所でした。
今『岡谷公二 『南海漂蕩 ミクロネシアに魅せられた土方久功・杉浦佐助・中島敦』という本を読んでいるのですが、大層面白い本です。
コメント by maru — 2008/1/28 月曜日 @ 22:51:36
>maru様
おお、シンクロニシティですね。
numadeさんのブログも拝読しました。
他の絵本は見覚えがなくて、「ぶたぶたくん」だけだったのです。
きっと土方久功は耳のいい人だったのでしょうね。おばあさんの話し方をあんな風に書けるというのは。
動物を題材にした木の彫刻もよかったです。
中島敦にはスティーブンソンを題材にした「光りと風と夢」もありますし、パラオから奥さんや子供たちに出した手紙では向こうの様子をこまめに書いていますから好奇心旺盛にいろいろ見ていたのでしょうね。もっと長生きしていたら……と思います。
コメント by ぱぐ@管理人 — 2008/1/29 火曜日 @ 12:35:31
「ぶたぶたくんのおかいもの」図書館で借りました。可愛い。
初めてのお使いの緊張と不安に私もドキドキしたよ。
コメント by がな — 2008/1/31 木曜日 @ 21:26:57
>がな
いいでしょう。最後に帰れるかなって思うところがこっちもどきどきするよね。
お使いができるようになった小さなこどもが読むと喜ぶんじゃないかな。
そうそう、小学校の仲間で呑み会があったので訊いてみたんだけど、インドにいた男子と連絡を取っている人はいませんでした。男子高は学年同窓会もしばらくやっていないんだって。
コメント by ぱぐ@管理人 — 2008/1/31 木曜日 @ 21:35:35