2013/12/1 日曜日

小林誠さん・益川敏英さんの講演会@多摩六都科学館(5)

Filed under: テレビ,美術館・博物館・アート,日記 — ぱぐ @ 22:34:05

講演は以上で終わり。
次に益川さんも加わってのパネルディスカッション。
司会は多摩六都科学館館長の高柳さん。(敬称略)

最初に高柳さんから講演者にいろいろ質問が投げかけられたあとで、聴衆からの質問(付箋に書いてホワイトボートに張り出したのを高柳さんが選んで読みました)。

質問1.息子が物理研究者になりたいと言っていますが、向いている素質はなんですか?
坂下:けっこうミーハーなこと。ノーベル受賞者に逢えるとわくわくすること。
中山:理論に対する検証は長い時間が掛かる。理論通りに装置ができていることに感動した。
小林:物理の研究にもいろいろあり、スタイルも違う。疑問に思ったことの元を知りたいと突き詰めていくのが好きな人が向いていると思う。
益川:小林さんと同じ。素朴に不思議だと思うことを自然から感じ取れること。自分の間違いがわかること、それはいろいろ考えることにつながる。

質問2.小林・益川理論を発表した時、将来必ず実証されると思っていましたか?
益川:論文はCP対称性の可能性についての可能性だった。某先生に「ほんとか?」と訊かれたので「仮定を示しています」と答えた。
小林:説明するための一つの仮定で、面白い仮定だと思っていた。3世代エビデンスはすぐ実証されたので、それからまわりの扱いが変わった。

質問3.同時に受賞した南部陽一郎さんの理論と小林・益川理論の関わりについて教えてください。
小林:だいぶ違う。南部氏のは適応範囲が広い仮説。益川・小林理論は狭いところの仮説。

質問4.ダークマターとニュートリノはどう違うのですか?
坂下:むずかしい質問ですね……
小林:圧力の性質がダークマターとニュートリノでは違う。

質問5.湯川秀樹さんは●●(聞き逃しました)の時、中間子理論を思いついたと言いますが、小林益川理論にはなにかそういうことがありましたか?
益川:湯川さんの伝記を書いた朝日新聞の記者から、違うと直接聞いたので、それは違う。 小林益川理論にはそういうエピソードは特になし。最初はヘンだと思ったことを翌日(同僚だった)小林氏に話したら同意してくれた。

質問6.素粒子部門で日本が進んでいる理由があれば訊いてみたい。
中山:●●さん(これも聞き逃し)の時代からの系譜が続いている。膨大な労力をこつこつ続けていること、みんなの力を合わせている。
高柳:いろんな国の人が集まってやる時に日本人は活躍していますか?
中山:います。
高柳:湯川・朝永・坂田と来て、いまの状況につながることは?
小林:伝統があるところに人が集まった。自分たちがやってきたことに対する自信。実験はCERNに比べて立ち後れたが、KEKでやっているのはノウハウの蓄積が大事。20年近くの蓄積の成果が出ている。
益川:湯川・朝永は少数なので説明が付きにくい。湯川さんはハプニングの部分もある。何年も論文を書かないので主任教授が催促した。それまでとは対象を少しずらして書いた論文がノーベル賞に結びついた。朝永さんはアイデアマンで湯川さんに対するライバル心があった。あの当時は個性に合った仕事をしている。坂田先生(ぱぐ注:小林さん・益川さんは名古屋大学で坂田昌一博士に師事)は、集団指導でいい弟子をたくさん育てた。集団的に研究する素地を作った。
坂下:伝統についてはよくわからないが、実験していて根気よく取り組むようにと先輩に言われる。日本ではいろんな実験ができる環境が現在整っている。
(ぱぐ注:最初の高柳館長の問いかけに対し、益川さんが持論の「稲作理論」を持ち出した。稲作は共同作業で行う仕事なので、そういう素地が日本文化に根付いているのではないか、ということ。NHKの番組でも話した由)

質問7.国際リニアライダーは何を狙っているのですか?
(ぱぐ注:KEKが建設中の次世代の直線衝突型加速器。全長30キロ超の長いトンネルの中に設置される)
坂下:きれいな実験、いま知っている理論を超えること。
益川:●●(聞き逃し)の拡張でもある。転換期なので、新しいものが出てくると思う。
小林:標準模型は究極のものではない。それ以上を求めようというのが素粒子理論学の目的。
中山:大きな研究施設ができて世界各国の人が来るということは、若い学者が柔軟なうちに参加できる。海外の若い人は成果を自分の国に持って帰れる。

質問8.いやになった時はどうしますか?
中山:いろんなテーマを同時にやっているので、違うことに取りかかる。
小林:考えていることの答えが見つからないのはよくあること。いくつか問題を抱えているので、方向を変える。
益川:こうやったらこうなったという成功例を積み上げる。脳天気なので失敗はない(会場から笑い声が起きる)。
坂下:違うことをしてみる。違う角度からやってみる。

以上でパネルディスカッションは終わり。

中継会場のためにみなさんが来てくれて一言ずつ挨拶。
(実はプラネタリウム会場は広いので、聴衆から話している人の表情は見えなかったとのこと。)
益川:ちびの益川です。母からの遺伝でおしゃべりです。
小林:益川さんと違ってしゃべらない小林です。
坂下:今日はこのお二人(ぱぐ注:益川さん、小林さんのこと)に逢えて興奮しています。
中山:会場では皆さんの顔が見えなかったんですが、こちらだとよく見えますね。
高柳:進行がうまくできたか心配しています。ミーハーが研究者を作るのではないかと思いました。またこういう機会を作りたいので、ご協力をお願いします。

多摩六都科学館のみなさん、準備と撤収お疲れさまでした。
懇親会に余りがあるのでどうですか、と言われたのですが残念ながらお断りしてしまった。

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