読書とドラゴンズの休日
秋のある休日の過ごし方。
今日は休み。今の休みは金曜と日曜だ。
朝イチで開店直後の職場に行き、チキンラーメンどんぶり付きを買ふ。
前に出たときは、トトロが要らないと言つたので買はなかつたのだけど、今回は興味を持つたので。
お一人様一個、百個限定なので、見てゐるそばからどんどん売れていつた。あの調子なら夕方になる前になくなつたかも。
ゆつくり買ひ物をしてゐたら一時間くらゐ過ぎた。仕事帰りだとゆつくりしてられないので、珍しいことである。
今日は出かけない、と宣言し、春の東京国際ブックフェアで買つたまま読んでいなかつた西村亨『王朝びとの恋』(大修館書店)を読みはじめる。最近になつて、やうやく読書欲が復帰してきた。来週は読書週間が始まるので、神保町の古本まつりに行くつもり。
西村亨は折口信夫の弟子で、王朝の和歌と物語を専門にする国文学者。折口系だけあつて民俗学にも目配りが利いてゐる。『王朝びとの四季』(講談社学術文庫392) だけ読んだことがあつたが、こんなに読みやすかつたかなと思ふ。学者は文章が上手なのも大事なことだ。
『新考王朝恋詞の研究』(おうふう)を丸谷才一がほめてゐたが、まだ国文専門の古本屋で眺めたことがあるだけ。我孫子市の図書館に、こんなシブイ専門書はないだらう。
『王朝びとの恋』に「一夜官女」といふ言葉が出てきた。司馬遼太郎にそんな名前の短編があつたな、と思ひ本棚から引つ張り出して久しぶりに読む(『軍師二人』講談社文庫に所収)。住吉神社の祭礼の日に一晩だけ官女の格好で神様に仕へる乙女のことを「一夜官女」といふ。読みながら筋を思ひ出したが、司馬遼太郎の話の運び方に舌を巻く。やっぱりうまいや。
夜はチキンラーメンをどんぶりで食したあと、プロ野球の日本シリーズをTV観戦。
もう四半世紀(!)近くなる中日ファンであるから、五十年振りの日本一を願つてゐる。
今日は川上憲伸の調子が抜群によくて、安心して観てゐられた。ノーヒット・ノーランを逃したのは惜しいけど、敵地だからね、ヒットなら打たれてもいいかと思つた。
これで名古屋へ帰つて、日本一になれたら、いふことなし。