2013/12/30 月曜日

「神谷美恵子生誕100年 記念の集い」に向けて

こんばんは。年度末の夜をいかがお過ごしでしょうか。

わたしは新年早々1月11日に「神谷美恵子生誕100年 記念の集い」というのが岡山市で行われるのに参加できることになりました。
神谷さんが来年で生誕100年というのは気がつかなかったのですが、65歳でお亡くなりになったのが1979年10月12日、わたしが中学二年の時です。当時は神谷さんのことは何も知らず、卓球と読書に精を出していて、司馬遼太郎の『燃えよ剣』(新潮文庫)にはまったのがこの年ではないかと思います。

神谷さんのことを知ったのはたしか二十歳前後のことで、母が追悼特集の「みすず」を見せてくれたのだった思います。その時は、
(こういう、いい顔をした女の人ってどういう育ちをしたのかな)
と思ったのですが、その後数年の内に大枚はたいてみすず書房から出ていた著作集を全部買って、精神医学とかミッシェル・フーコーなどは全然ワケのわからないまま一応全部読んでみました(いまでもそっちの方は誰かにレクチャーしてもらわないと理解できません)。

その後、いろいろなことがありましたが、なんとかして自分が感じる神谷さんを文章としてまとめてみたい、という気持ちは著作集を読み始めたころから変わっていません。30年弱になるのかな(!)。
今度の岡山行きで、ひとつ何か感じてきたいと思っています。本を読んでるだけではわからないことが現地ではあるはずので。
そちらは、またこのブログに何か書きたいと思います。

休み休みの更新なので、こちらを続けて読んでださる方がいらっしゃるのかよくわかりませんが、みなさま、よいお年をお迎えください。

*コメントを受け付けない設定になっちゃってますが、できるようにあとで家人に直してもらいます。しばらくお待ちくださいませ。

2013/12/25 水曜日

敬虔な気持ちで迎えた誕生日

おはようございます。
きのうはクリスマスイブでしたが、どんな風にお過ごしになりましたか。

わたしは本来は1月生まれの筈だったのですが(予定日は確かめていない)、ちょっと出血があったとかいうことで母が早めに入院して12月25日にこの世に出てきております。母はなかなか麻酔から覚めず、時間が掛かったらしいです。

12月25日だと、クリスマスとセットになって全世界的にお祝いしてくれる感じだし(笑)、みんなに覚えてもらいやすい日なのでお得です。子どものころはクリスマスと誕生日がセットで、おばあちゃんち(母方の)でどどーんと大きなケーキでお祝いしてもらった記憶があります。

物心ついた時から本好きだったので、たいてい本をもらったんじゃないかなー。小学三年の時自転車に乗っていて交通事故に遭って家で療養した時もお見舞いは本が多かったですね。

日付が変わってからになりますけど、今晩は水野倫之NHK解説委員の時論公論(0:10~0:20)がありますので、それを誕生日プレゼントと思うことにします。
内容は深刻なものでずっと気になっていることですが、水野さんはずっとスタンスを変えていないしこれからも解説は聞いていきたいと思いますので。

追記2013.12.30:ツイッターの方ではこんな感じで祝っていただきました(ツイッターやってなくても読めます)。みなさんありがとうございます♪→http://togetter.com/li/607160

2013/12/1 日曜日

小林誠さん・益川敏英さんの講演会@多摩六都科学館(5)

Filed under: テレビ,美術館・博物館・アート,日記 — ぱぐ @ 22:34:05

講演は以上で終わり。
次に益川さんも加わってのパネルディスカッション。
司会は多摩六都科学館館長の高柳さん。(敬称略)

最初に高柳さんから講演者にいろいろ質問が投げかけられたあとで、聴衆からの質問(付箋に書いてホワイトボートに張り出したのを高柳さんが選んで読みました)。

質問1.息子が物理研究者になりたいと言っていますが、向いている素質はなんですか?
坂下:けっこうミーハーなこと。ノーベル受賞者に逢えるとわくわくすること。
中山:理論に対する検証は長い時間が掛かる。理論通りに装置ができていることに感動した。
小林:物理の研究にもいろいろあり、スタイルも違う。疑問に思ったことの元を知りたいと突き詰めていくのが好きな人が向いていると思う。
益川:小林さんと同じ。素朴に不思議だと思うことを自然から感じ取れること。自分の間違いがわかること、それはいろいろ考えることにつながる。

質問2.小林・益川理論を発表した時、将来必ず実証されると思っていましたか?
益川:論文はCP対称性の可能性についての可能性だった。某先生に「ほんとか?」と訊かれたので「仮定を示しています」と答えた。
小林:説明するための一つの仮定で、面白い仮定だと思っていた。3世代エビデンスはすぐ実証されたので、それからまわりの扱いが変わった。

質問3.同時に受賞した南部陽一郎さんの理論と小林・益川理論の関わりについて教えてください。
小林:だいぶ違う。南部氏のは適応範囲が広い仮説。益川・小林理論は狭いところの仮説。

質問4.ダークマターとニュートリノはどう違うのですか?
坂下:むずかしい質問ですね……
小林:圧力の性質がダークマターとニュートリノでは違う。

質問5.湯川秀樹さんは●●(聞き逃しました)の時、中間子理論を思いついたと言いますが、小林益川理論にはなにかそういうことがありましたか?
益川:湯川さんの伝記を書いた朝日新聞の記者から、違うと直接聞いたので、それは違う。 小林益川理論にはそういうエピソードは特になし。最初はヘンだと思ったことを翌日(同僚だった)小林氏に話したら同意してくれた。

質問6.素粒子部門で日本が進んでいる理由があれば訊いてみたい。
中山:●●さん(これも聞き逃し)の時代からの系譜が続いている。膨大な労力をこつこつ続けていること、みんなの力を合わせている。
高柳:いろんな国の人が集まってやる時に日本人は活躍していますか?
中山:います。
高柳:湯川・朝永・坂田と来て、いまの状況につながることは?
小林:伝統があるところに人が集まった。自分たちがやってきたことに対する自信。実験はCERNに比べて立ち後れたが、KEKでやっているのはノウハウの蓄積が大事。20年近くの蓄積の成果が出ている。
益川:湯川・朝永は少数なので説明が付きにくい。湯川さんはハプニングの部分もある。何年も論文を書かないので主任教授が催促した。それまでとは対象を少しずらして書いた論文がノーベル賞に結びついた。朝永さんはアイデアマンで湯川さんに対するライバル心があった。あの当時は個性に合った仕事をしている。坂田先生(ぱぐ注:小林さん・益川さんは名古屋大学で坂田昌一博士に師事)は、集団指導でいい弟子をたくさん育てた。集団的に研究する素地を作った。
坂下:伝統についてはよくわからないが、実験していて根気よく取り組むようにと先輩に言われる。日本ではいろんな実験ができる環境が現在整っている。
(ぱぐ注:最初の高柳館長の問いかけに対し、益川さんが持論の「稲作理論」を持ち出した。稲作は共同作業で行う仕事なので、そういう素地が日本文化に根付いているのではないか、ということ。NHKの番組でも話した由)

質問7.国際リニアライダーは何を狙っているのですか?
(ぱぐ注:KEKが建設中の次世代の直線衝突型加速器。全長30キロ超の長いトンネルの中に設置される)
坂下:きれいな実験、いま知っている理論を超えること。
益川:●●(聞き逃し)の拡張でもある。転換期なので、新しいものが出てくると思う。
小林:標準模型は究極のものではない。それ以上を求めようというのが素粒子理論学の目的。
中山:大きな研究施設ができて世界各国の人が来るということは、若い学者が柔軟なうちに参加できる。海外の若い人は成果を自分の国に持って帰れる。

質問8.いやになった時はどうしますか?
中山:いろんなテーマを同時にやっているので、違うことに取りかかる。
小林:考えていることの答えが見つからないのはよくあること。いくつか問題を抱えているので、方向を変える。
益川:こうやったらこうなったという成功例を積み上げる。脳天気なので失敗はない(会場から笑い声が起きる)。
坂下:違うことをしてみる。違う角度からやってみる。

以上でパネルディスカッションは終わり。

中継会場のためにみなさんが来てくれて一言ずつ挨拶。
(実はプラネタリウム会場は広いので、聴衆から話している人の表情は見えなかったとのこと。)
益川:ちびの益川です。母からの遺伝でおしゃべりです。
小林:益川さんと違ってしゃべらない小林です。
坂下:今日はこのお二人(ぱぐ注:益川さん、小林さんのこと)に逢えて興奮しています。
中山:会場では皆さんの顔が見えなかったんですが、こちらだとよく見えますね。
高柳:進行がうまくできたか心配しています。ミーハーが研究者を作るのではないかと思いました。またこういう機会を作りたいので、ご協力をお願いします。

多摩六都科学館のみなさん、準備と撤収お疲れさまでした。
懇親会に余りがあるのでどうですか、と言われたのですが残念ながらお断りしてしまった。

小林誠さん・益川敏英さんの講演会@多摩六都科学館(4)

Filed under: テレビ,日記 — ぱぐ @ 22:32:35

3人目の講演者は1978年生まれの坂下健氏(KEKニュートリノグループ助教)。

ニュートリノとは何か。
1930年パウリが予言、1934年フェルミによる研究が行われ、「ニュートリノ」と名付けられる。中性な(ニュートラル)小さい粒子(リノ)という意味。1956年ライネとカワンの実験により発見。
日常では見えないもの。
太陽からは、1秒間あたり約1兆個のニュートリノが人の手のひらに当たっている。
ニュートリノは物質とほとんど反応しないので、身近にわかりにくい。
太陽からのニュートリノが地球で反応する確率は0.00000002%、ほとんど通り抜ける。
電気的に中性な素粒子であるため、電気を通さない(電荷を持たない、という)。
3種類のニュートリノがある。
質量がひじょうに軽く、まだ質量の絶対量はわかっていない。

ニュートリノ振動について。
*ニュートリノが飛行中に別の種類に変換する現象のこと
*ニュートリノが質量を持つためので起こる現象
1998年、岐阜県神岡町のスーパーカミオカンデでの実験でニュートリノ現象が発見された。
ニュートリノの質量は0と考えられていたが、実は0ではなかったという大発見だった。
坂下氏は当時近いところに住んでいたが、テレビも新聞も見なかったので知らなかった。あとで残念だと思ったとのこと。

ニュートリノの実験は日本が世界をリードしている。
今年TK2実験でこれまで見つかっていなかったニュートリノ振動を世界で初めて発見した。

もしニュートリノでもCP対称性が破れていたら、物質と反物質の差を生む新しい証となり、宇宙発生の謎を解くのに役立つかもしれない。

1.ミュートリノから電子ニュートリノへ
2.反ニュートリノから電子ニュートリノへ
この2つの振動の出現回数をなどの差を測定する。

東海―神岡ニュートリノ振動実験
 東海村にあるニュートリノ実験施設で人工的に作った大量のニュートリノをスーパーカミオカンデで検出する実験。
 11カ国59の研究機関から約500名の研究者が参加している。

 ニュートリノは東海村の施設の地下110mの長さのトンネルの中で作られる。
 東海村から神岡までトンネルでつながっているわけではない。
 つくばから神岡まで電車とバスで約7時間掛かるが、ニュートリノは1000分の1秒で到達する。

小林誠さん・益川敏英さんの講演会@多摩六都科学館(3)

Filed under: 美術館・博物館・アート,日記 — ぱぐ @ 22:31:47

二人目の講演者は1981年生まれとお若い中山浩幸氏(KEK Belle-Ⅱグループ助教)。

KEKで加速器を使って実証実験をしている人です。
KEK加速器を使ってBelle実験で小林・益川理論が実証されたのは大成功だが、まだまだ解明できない宇宙の謎がある。
(ぱぐ注:論文執筆は1973年。KEKのBファクトリー建設開始が1994年、実験開始は1999年、実験成功は2004年)
素粒子物理学はミクロの世界の成り立ちを考えるものでもあるが、宇宙の成り立ちを考える時にも関わってくる幅の広い学問である。
素粒子物理学には、理論と実験の分野があり、実験の分野は粒子を飛ばす加速器を作るグループと、衝突した粒子を観測するグループとがある。中山氏は観測するグループ。

実験には誤差がつきものですが、誤差を減らしてできるだけ精確に測定することが必要。
新しい理論の発見に必要なのは、新しい理論と現在の理論のずれがどうして起きるのか、と考えること。

で、小林・益川理論の実証に作られた装置の40倍の精度の加速器が2014年に完成予定。これは世界一のものを目指している。
実験内容は電子と陽電子を衝突させて中間子を発生させることだが、女子集団と男子集団を衝突させると恋が発生するという例がわかりやすい(会場でもよくわかったという雰囲気になりました(笑)。

40倍の精度のものを作るのにどういう工夫をしているか、4択クイズが出ました。
1.粒子の数を増やす  2.ビームのエネルギーを高くする  3.ビームを細く絞って衝突させる  4.衝突しなかったビームを再利用する。

正解は3。KEKBより20倍細いビームを使うとのこと。
1は2倍が限界、2はエネルギーを変えられない、4リング状の施設だとチャンスがあるが、直線型では一発勝負。いずれにしてもあまり衝突しないので確率が低い。ということで×。

ビームの細さは60ナノメートル、髪の毛の1000分の1の太さ(!)。
7種類の粒子を測定するので、7つの検出器が付いている。

世界中の研究者たちが集結して装置を作っている。21カ国500名。2016年実験開始の予定。
いろいろな国の人が一緒にやると、目から鱗が落ちるようなことがたくさんあって面白い。
(ぱぐ注:欧州のCERNも各国の人が集まって研究しています。日本の研究者も参加)

小林誠さん・益川敏英さんの講演会@多摩六都科学館(2)

昨日は一応メモをレポート用紙に書き殴ったのですが、なにぶん理数系に弱く、科学系の学者の講演を聴くのは初めてのことでもあるので、内容については簡単に触れることにします。
NHKの水野解説委員の講演を聴いた時も、あとでまとめるのがたいへんでした(ツイまとめにしております。関心のある方はどうぞ。ツイッターをやってなくても読めます→http://togetter.com/li/326210 いま確認したら2500view超えてる!何か責任重大ですねえ)。

講演会のお題は「宇宙の謎に挑む素粒子物理学―どうして現在の宇宙は生まれたか―」。
小林さん・益川さんは素粒子物理学の理論が専攻ですが、そういう仮説の実証実験を行うのがKEK(ケック。高エネルギー加速器研究機構、つくば市)のような実験施設。
今年ヒッグス粒子の提唱者がノーベル物理学賞を受賞しましたが、あの実証実験を行ったのは、CERN(セルン。欧州原子核研究機構、スイスジュネーブ郊外)。

高柳館長は最初の挨拶の中で、KEKができる前に、現在の西東京市、かつての田無市に東京大学原子核研究所があったことを披露(1955-1997)。現在も農学部の農場がありますが、その北側、現在は西東京いこいの森公園になっています。多摩六都科学館からは東に1キロほどのところ。詳しいことはKEKの「日本の原子核素粒子研究の礎」をご覧ください。

原子核研究所は研究者たちが共同研究する大学共同利用研究機関というものなんですが、その後継機関がKEKであるとのこと。
今回は多摩六都科学館で行われる第一回目の講演会。今後も素粒子物理に関する講演会を続けていきたいということでした。宇宙のはじめは素粒子で、それが現在の多様な生物が共存するところまでに至ったのだという、科学館らしい壮大なお話です。

最初の講演者は小林さん。ノーベル物理学賞を受賞した「CP対称性の破れ」という理論(論文は小林・益川両氏の共同執筆)がどこからどう出てきたのかその経緯と、理論の内容説明がありました。いかにも学者らしい冷静沈着な話し方でした。

あ、わたしは会場となったプラネタリウムではなく、中継会場のホールで観ていました(講演会の様子はUSTでも中継)。

小林誠さん・益川敏英さんの講演会@多摩六都科学館(1)

昨日、西東京市の多摩六都科学館で行われた講演会に行ってきた。

ご存じの方も多いと思うけれど、お二人は2008年のノーベル物理学賞を南部陽一郎氏と共に受けられた。
現在はなかなか顔を合わせることが少ないそうで、昨日は3年ぶりの再会だったという。

多摩六都科学館は小平・東村山・清瀬・東久留米・西東京という東京多摩北部の五市が共同で運営している科学博物館である。田無市と保谷市が合併して西東京市となり現在は5つの市の共同運営。
昨年リニューアルされたプラネタリウムは「最も先進的なプラネタリウム」としてギネスブックに認定された。生解説が毎日聴けるのが自慢なので、星とか宇宙に関心のある方は是非どうぞ。

今回は小林・益川ノーベル賞受賞5周年、多摩六都科学館創立20周年ということで企画されたもの。
2004年から館長を務める高柳雄一氏は、元NHKの解説委員で、科学系の番組の制作に携わった。現在もラジオ第一の夏休み子ども科学電話相談の回答者を務めている(担当は科学一般)。

ついでに書くと、この夏休み科学電話相談は今年で30周年。残念ながらわたしは質問する年齢をオーバーしてから聴くようになったのだが、中学生までの子どもの質問に専門家がいかにわかりやすく答えるか、というのは仕事の上で参考になるし、大人の科学の勉強にもなります(笑)。

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