2008/1/30 水曜日

小学校の同級生と呑み会/あっさりと

Filed under: 日記 — ぱぐ @ 22:48:01

きのうは小学校の時のクラスの呑み会が新宿であった。
仕事の関係で広島に住んでいる男子がいて、東京に来るついでに呑み会をしようということになったもの。前にも書いているようにわたしは4年生で編入学してそのまま中学高校一貫の女子校に上がったので、女子とはわりとつきあいがあるけど、小学校で一緒だった男子とはあまりつきあいがない。

クラスは男子女子20名ずつくらいで、きのう集まったのは女子4人、男子6人。みんなに声掛けした幹事の女子が来られなかった。おととし病気で亡くなった女子がいてそのあとにクラスで偲ぶ会をやったのだが、それ以来。学年に3クラスある中でうちのクラスが一番集まりが悪い。

40過ぎたからかどうか、みんな落ち着いてきた。女子で先日ホノルルマラソンで完走した人がいて、4時間半というタイムはフルマラソン初めてにしては早いんじゃないの?と驚く。小学校の時、2キロくらい走る時間というのがあったが結構きつい坂を上り下りするのでつらかった。

4年で入ったとき一緒に入った男子が2人いたのだけど、その2人は来なかった。わたしはすごく緊張していたそうだ。入ったころからの印象は変わっていない、とみんなが言った。どういう印象なのかわからないけど、中高の卓球部の先輩にも言われたことがあるので、なんだか成長?してないのかもしれない。

男子諸君の数々のいたずらの回想。ある人はみんなの前でお尻を出したので(!)女子に嫌われたという。担任のM先生は児童にクラス会の運営などをさせてめったに口を出さなかったが、その時にはさすがに注意したとか。
 

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今日は仕事の面接。二度連続でだめだったので、今日のはあんまり期待しないように、笑顔を振りまく練習のつもりで、と思っていたらあっさり決まったので驚く。
来週の月曜から就業の予定。

神保町に近いところなので、帰りに古本屋に寄れるかな。月末月初が少し忙しく、普段は残業なしだという。

仕事内容は一般事務。電話の応対がけっこうあるという。業務で電話を受けるのは10年ぶりくらいになるのかな。社会人になったときに勤めていたところでは最初、総務部配属だったので、電話の応対も結構やった。そのころ教えられたことを思い出すことにしよう。

2008/1/29 火曜日

中丸美繪『杉村春子』と杉村の舞台3つ

Filed under: 未分類 — ぱぐ @ 12:17:43

以下は昨年10月に書いたものです。

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杉村春子の舞台は、最晩年に有名な「女の一生」を観たことがあるだけだ。そのころは、勤め先のいろいろな問題が見えてきたり、母との対立が最高潮を迎えていたりしたので、いろいろ考えながら観たと思う。

この間、念願の中丸美繪(よしえ)『杉村春子 女優として、女として』(文春文庫)を読んだ。芝居することに自分の人生を捧げた人、ということでちょっとほかにはいない存在ですね。
同じ文学座にいた長岡輝子とは対照的なところがある。杉村は演出はやらなかったし、いろんな恋(結婚は二回、うち一回は未入籍)もすべて自分の芝居の肥やしにしてしまったところがある。

わたしは長岡輝子も好き。一般に知られるようになった「おしん」放映時は高校生だったが印象的だったし、こどものころおばあさんから教わった岩手の言葉による宮沢賢治の朗読会をやっていたのを何回か聴きに行ったことがある。なんとも言えない暖かみがあって、疲れているときに聴くといい気持ちになって帰ってくることができた。『セロ弾きのゴーシュ』のCDが手元にあります。

2007年春に杉村没後10年の記念番組をNHK-BSでやっていて、番組のあと亡くなった北村和夫の話が面白かった。その他に芝居を3つ放送した。テネシー・ウィリアムズ「欲望という名の電車」、三遊亭円朝原作「怪談牡丹灯籠」、飯沢匡<ただす>「続・二号―騒がしいウェディングマーチ―」の3本。

「欲望という名の電車」はよく知られた芝居で、篠井英介が原作者の指定に逆らい男優として初めて主人公ブランチを演じたことが評判になったから観た方もおられるだろう。わたしはああいう、人を追いつめていくようなものを観ると苦しくなってくるから、最後までじっと観ていることができなかった。杉村の当たり役の一つ。

「怪談牡丹灯籠」は落語でも有名な話なのだけど、聴いたことがない。杉村の早変わりが楽しい。これも怖い話ではあるのだけど(好きなのに一緒になれなかったから幽霊として出てくる娘と付き添いお女中の話などがつながって場面展開する)、どこかユーモアがあるからか、楽しかった。着物姿がよく合っているし。

「続・二号―騒がしいウェディングマーチ―」は喜劇。杉村は喜劇は自分にはできない、と言っていたという。昭和40年代くらいが舞台で、政治家の二号さんだった女が自分の娘の息子(孫)の結婚式に臨む、という話。とんでもなく派手な結婚式なのが笑えるのだが、杉村は「女の一生」の作者だった森本薫の愛人だったことがあり(本人が公言していたので生前から有名な話)、結婚や出産は芝居をするのに足かせだと思っていたそうなので、かなり複雑な心境で演じたのではないかしらん。ホテルマネージャー役の江守徹がはつらつとしていて、ほーこんな良い演技をする人だったのか、と見直しました。

「怪談牡丹灯籠」がいちばん面白かった。古典好きのせいかもしれないし、新派の趣向を取り入れた芝居の作りが気に入ったのかなとも思う。落語だと誰がいいのかなぁ。聴いてみたい。

最後に同時代ということで杉村春子と神谷美恵子の接点を探ってみると、太平洋戦争終了直後、日本がGHQの占領下に入ったときに、神谷美恵子は父前田多門が文部大臣になったので、その次の大臣になった安倍能成の時まで、CIE(民間情報教育局)で通訳や書類の翻訳をやっていた。杉村はそのころCIEの幹部だったエドワード・E・カネシマという年下の男とつきあっていたという。

2008/1/28 月曜日

再び仕事の連絡待ち

Filed under: 日記 — ぱぐ @ 14:04:10

先日の面接の結果は×でした。乗り気だったので残念に思っている。
代わりの仕事の話をもらったのでまた連絡待ちです。

うーん、話しているとやる気無げに見えるのかなあ。家人は
「君はなんで自分で条件を狭くするようなことを言うんだ?」
と言うんだけど、体力が落ちているのがよくわかってるから(Wii Fitで維持したいと思っている。今のところ毎日続いている)、なんでもはいはいと気安く言えません。

どんな形になるかわからないけど書くことはほんとにやりたいから、そのための余力を残さないと。時間との勝負という気持ちがある。40代だってあっという間に過ぎるに違いないから。

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用賀プロムナードの崇徳院の歌

用賀駅から世田谷美術館に抜ける用賀プロムナードにある百人一首、77番崇徳院の歌
 

きのうはマザー・グース学会関東支部例会が下北沢であった。その前に世田谷美術館「パラオ―ふたつの人生 鬼才・中島敦と日本のゴーギャン・土方久功」を観る。最終日なので人が多かった。

中島敦は高校の国語の時間に「山月記」をやって以来、ちくまの文庫版全集などいろいろ読んでいます。33歳で死んじゃったので未完が多く小説の数は多くありませんが、あの文章の切れの良さ、読んでいてすっきり頭が晴れるような風通しの良さが大好き。「弟子」というのが一番好きで、清書原稿を復刻したものが手元にある。読みやすい字です。
来年、生誕100年記念で神奈川県立近代文学館所蔵の直筆がDVDに収録されるそうです。おもしろそう。

中島敦がパラオに行っていたことは知っていて、土方久功(ひじかた・ひさかつ)と交流があったことは知っていたのだけど、土方自身については彫刻家というくらいのことしか知らなかった。

ところが、これがわたしにも関わりがあったんです!
『ぶたぶたくんのおかいもの』(福音館書店「こどものとも」、1970)という絵本の表紙に見覚えがあったので、スクリーンに映し出される「ぶたぶたくん」を見ていると、
(あ、きゃらめる!)
とふいに思い出し、確かにきゃらめるが出てきました。
ぶたぶたくんがお母さんに青いリボンを付けてもらって一人でお買い物に行く話なんですが、途中でからすのかあこちゃんに会う。お店はパン屋(おじさん)と八百屋(おねえさん)とお菓子屋さん(おばあさん)。おばあさんがゆっくりゆっくりしゃべる。
「お、や、お、や、ぶ、た、ぶ、た、く、ん、よ、く、き、た、ね」
という感じなんです。その前の八百屋のお姉さんが早口なのと対照的になっている。で、きゃらめるを買うんですけど、いやー30何年ぶりなのに(わたしが5歳の時に出た本です)、覚えてるもんだ、とびっくりしました。今でも「こどものとも傑作集」というのに入っているそうですから(図書室で現物と対面してきました)、読めるんでしょうね。

『ぶたぶたくんのおかいもの』表紙

ついでに書いておくと、土方久功は土佐出身の明治の政治家である土方久元(1833-1918)の弟の子供です。久元の孫に築地小劇場を作って日本の新劇の基礎を作った土方与志(よし、1898-1959)がいますが、久功とは叔父甥(与志が甥)の関係で、築地小劇場のマークである一房の葡萄は久功がデザインしたそうです。

というわけでなんだか興奮してしまったので、マザー・グース学会関東支部例会には1時間ほど遅刻。同じ世田谷区内(用賀→下北沢)なのだけど遠かった。
また人数が少なめで、全部で7人。勉強会の分が一つ、会員が書いた本からのが一つ。前にも書きましたが伝承童謡なので、時代が下るに従って忘れられた歌もあるし歌詞が変わるのもありますので、全部を把握するのはなかなかできることではありません。わたしは基本的な資料になるイギリスの本を持っていないので、次の勉強会の担当が当たって困ったな。大きな図書館で探すか。

そのあと渋谷のパブに行って新年会。
“Toad in the Hole”(直訳すると「穴の中のひきがえる」、パンケーキの中にソーセージが入っている料理)とか、”English Breakfast in Pudding”(プリンの中のイギリス朝食。ベーコン、ソーセージなど。トマトソースで煮た豆とマーマイトという塩辛を煮詰めたような塩辛いものを乗せたトースト付き)、それに定番の”fish & chips”などを食べ、呑めるひとは英国ビールで盛り上がりました。

2008/1/27 日曜日

本日、伊藤君子の津軽弁ジャズが放送されます

Filed under: 未分類 — ぱぐ @ 9:44:55

昨年12月に聴きに行った、渋谷のNHKふれあいホールで行われた公開録音が放送されます。
津軽弁の「My Favorite Things」が最高でした。「Fry me to the moon」、「Summer Time」もあったと思います。ふつうの?英語のジャズもあります。
よかったらお聴きください。

「セッション2008」
伊藤君子&山本剛(ピアノ)トリオ。
ほかのメンバーは坂井紅介(ベース)、海老沢一博(ドラム)。

1/27(日)22:00~22:55
NHK-FM

再放送:2/1(金)午前10時~10時55分

詳しいことはこちらで。

2008/1/26 土曜日

面接の帰りにジュンク堂へ

Filed under: 日記 — ぱぐ @ 9:57:53

面接の結果が出ていないので詳しいことは書きませんが、前にやっていたことと符合することがあってびっくり。あんまり神がかったことって信じていないけど、人生というのは案外そんなものなのかもしれない、と思う。

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帰りに池袋のジュンク堂に寄り、本を3冊購入。
1.神谷美恵子コレクション『人間をみつめて』(みすず書房、2004)
2.西丸四方『彷徨記―狂気を担って』(批評社、1991)
3.『太田和彦の居酒屋味酒覧 第ニ版』(新潮社、2007)

1は資料のために。著作集は手元にあって内容がよく理解できない専門的な論文なども一度は目を通しているのだが、長島愛生園(岡山にあるハンセン氏病療養所)の患者さんたちあての手紙がついていること、解説を加賀乙彦が書いているのでまずこれにした。あと『生きがいについて』『こころの旅』『遍歴』の神谷美恵子コレクションも順次手に入れる予定。

2は東大精神科医局時代の同僚で、関西に行ってからはよく電話で話し相手になってくれた精神科医の自伝なので。ちらっと中を見たら神谷美恵子の名前が出てきたので即購入を決める。

3は居酒屋めぐりをライフワークにしているデザイナーの本。文章が好きなので何冊か本がうちにある。第一版も持ってます。この本は全国の居酒屋が載っているのだけど、読んでいると呑み食べする目的も大いに入れて旅に出たくなる。今一番行きたいのは鶴岡かな。

この間平安史のことを書いたので日本史のコーナーに行ってみると、土田直鎮の『平安史の道しるべ』(吉川弘文館)という折に触れて書かれた文章を集めた本があった。今だったら論文を書かない研究者はなかなか認めてもらえないだろうが、土田は論文を書くよりも平安史の原資料になる貴族の日記類などから、毎日毎日何があったかをまとめていく大日本史料という本の編纂を本領と考えていたという。日本史専攻じゃなかったので大日本史料は読んだことがないけど研究者にとってはありがたい本だろう。

あと、大学の時に後鳥羽院のことを取り上げた講義で面白いのがあったのだが、それをまとめた本が出ていたのでいずれ読んでみるつもり。誰かにコピーもお願いして自分でノートをまとめたのをどこかに取っておいているはず。

2008/1/25 金曜日

神谷さんの本を読み返す

Filed under: 神谷美恵子,読書,日記 — ぱぐ @ 9:19:08

今年は本当に書くための準備をしよう、と思って神谷さんの本で手元にあるのを読み返している。神谷美恵子コレクションより、『本、そして人』『神谷美恵子の世界』(みすず書房)。リンク先はみすず書房の神谷美恵子著作一覧。

うーん。読めば読むほど、本人の文章はむずかしくないんだけど、その背後にある膨大な読書、交友関係、ハンセン氏病療養所での治療やいろんなところで教えた経験などのことを考えると、ほんとに自分にこんなすごい人のことが書けるかなあ、とこわくなってくる。
まあ精神医学者が書いたって一面しか書けないだろう、だから全くの素人であるわたしが書くことにも意味があるかなあ、というのが頼りなんですが。
 

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今日は仕事のことで面接に行くことになっている。

採用されると忙しいところに飛び込んじゃうことになるので、また神谷さんのことが後回しになっちゃうかもしれないのが気がかりだが、慣れてきたら少しずつでいいから進めないとしょうがあるまい。

ほっとくと怠けてばかりだから、わたしには締切とかで催促してくれる編集者役の人が必要みたいですけど(笑)。

2008/1/24 木曜日

図書館に返した本についての感想

Filed under: 未分類 — ぱぐ @ 22:19:27

先日借りた10冊は期限オーバーしたのですが(^^;)、全部読み終えてから返しました。簡単に感想を書いておきましょう。

清水好子『王朝女流歌人抄』(新潮社、1992)
 清水好子はもう亡くなったというが、国文学者の中では読みやすい文章の人だったと思う。赤染衛門(あかぞめえもん)に、夫である大江匡衡(おおえのまさひら)の前に好きだった人がいて思いを残していたという話に驚く。典型的な優等生、内助の功といった人だと思っていたので。

大岡信『1900年前夜後朝譚 近代文芸豊かさの秘密』(岩波書店、1994)
 イサム・ノグチ(彫刻家)の父である野口米次郎(若くして渡ったアメリカで英詩を書いた)の名前は知っていたが、詩の現物を読むのはこの本に紹介されていたのが初めて。日本人には珍しく哲学的というのか箴言的というのか、考えることを詩にするタイプであったらしい。ただ自分で日本語に直したものは出来がよくなく魅力が伝えられていないとのこと。

中野好夫『英文学夜ばなし』(新潮選書、1971)
 訳書などでずいぶんお世話になっているけど、中野好夫の毒舌はおもしろい。重箱の隅をつつくような英文学研究にあきれかえった話だの、日本人が英文学研究をやると言ったって所詮は向こうのものを参考にするしかないとか、自分で徳富蘆花のことを調べてみたらおもしろかった(あとで伝記を書いてます。読みたいと思ってますが未読)とか、まあとにかく率直なんですね。わからないことをわからないというのは学者としてはかなり異例ではないのかな。

平岩弓枝『山茶花は見た 御宿かわせみ四』(文春文庫、2004)
 るいさんの色っぽさがますます増してきたような……好きであっても将来どうなるかわからないと思いながら東吾が来るのを待っているせいか。祝言を挙げてからはこの辺変わるのかな。

阿川佐和子『阿川佐和子のお見合い放浪記』(講談社+α文庫、2001)
 1月8日に書いているので省略。

同上『ときどき起きてうたた寝し』(文春文庫、1998)
 1月9日に書いているので省略。

大岡信『百人一首』(講談社文庫、1980)
 百人一首についての本はかなり読んでいると思うが、大岡さんのは大意が詩の形式になっているのが独自。詩人だからね。作者の人間関係について詳しく書いてあったので、次の日に行った近衛家の美術展で参考になった。

色川武大『わたしの旧約聖書』(中公文庫、1991)
 種本の旧約聖書が文語訳だったので、ああ、これがたぶん神谷さんが読んでいた聖書の訳だろうな、と思いながら読んだ。あんまり読む気になれないんだけど、もし聖書を参考として読むのなら文語訳の方が言葉としては優れていると思う。そういえば米原万里も文語訳聖書を引用しているので意外に思ったことがある。色川は博打で身を立てていたことがあるのでそういうものの見方がおもしろかった。

塩野七生『神の代理人』(中公文庫、1975)
 最後に出てくる法王が面白かった。最初は特に目立ったことをせずなんだか楽ちん、と思っていると実はなかなか手強い政治的な手腕の持ち主。自分を毒殺しようとした計画を知り、首謀者の枢機卿、実際に手を下す役割の外科医などに対して、処刑もするけど二度と社会的に立ちゆけないようにするやり方のうまさよ。カーニバルなどは積極的に見物しルネッサンスの名だたる芸術家たち(ミケランジェロとか)には金を出すことをいとわず、彼の在位当時は文化が盛んであったこと。ただしそれほどの歳ではないのに急死したので膨大な借金が残って貸した方は真っ青になったという。

永井路子『歴史のヒロインたち』(文春文庫、1990)
 短い対談を集めたものなので一人一人に対する考察が足りないのがちょっと不満。借りてすぐ読んだのでどれがどうだったか詳しく思い出せない。すみません。

2008/1/23 水曜日

「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」展を観る

Filed under: 日記 — ぱぐ @ 16:58:36

相撲の券を買ってからいったん上野へ行き、国立博物館で「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」を観ました。

前から行こうと思っていたのだけど、ちょうど先日「日曜美術館」でやっていたのでますます興味を引かれた。

近衛家というのは藤原氏があとではいろんな名前になっていく中で、一番の本流になったところです。というわけでいろいろな先祖伝来のものを持っていて、それを29代当主、秀麿が陽明文庫という財団法人にしたのが昭和13(1938)年。当時秀麿は首相だった。後に戦争の責任を問われて東京裁判に掛けられる前に自殺してしまうのですが。

わたしは母校の恩師の勧めもあって国文にしたのですが、日本史にもかなり惹かれていて、それも平安史がやりたかった。前にもどこかに書いたかもしれませんが、実家にむかし中央公論が出した『日本の歴史』というシリーズがありまして、その第5巻「平安の貴族」がとてもおもしろかったので。土田直鎮(なおしげ)という東大の史料編纂所の所長からのちに佐倉の国立歴史民族博物館の館長になった歴史学者が書いたもので、この中では藤原道長や藤原実資(さねすけ)といった、当時の貴族の日記をタネにしているのが斬新だった。

道長の日記は「御堂関白記(みどうかんぱくき)」というのですが、その1000年前の日記(!)の自筆本が今でもちゃんと残っているのがすごいところです。全部漢文で書いてありますからわたしの学力では読めませんが、何しろ自筆、どんな字で書いてあるのか、性格もわかるかもしれない、と見るのが楽しみでした。

御堂関白記(藤原道長の日記)御堂関白記

また両国へ戻るのでゆっくりできませんでしたが、おもしろかった。「御堂関白記」もさることながら同時代の藤原行成(ゆきなり、ふつう<こうぜい>と言う)という有名な名筆のものも。漢文や仮名書きの文字はそのまま読めないのが悔しい。

和漢抄(藤原行成筆)藤原行成筆、和漢抄

源氏物語の中の歌を筆で書いて、大きな屏風のところどころに貼り付けたものがきれいでした。屏風絵というのはよく聞くのだがああいうものだったんだろうか。

あと江戸時代の当主、21代家熙(いえひろ)の文芸美術万能ぶりもおもしろかった。平安時代の名筆をそっくりそのままお手本にして書いたお習字やら、庭(?)の草木を丹念にスケッチした絵、大きな屏風に太い字で書いた文字など。隷書で書いた般若心経は乱れが一切なくきちっときれいに字が並んでいるのは見事だった。

近衛家熙「花木真写」家熙の「花木真写(かぼくしんしゃ)」

ほかには御所人形がかわいい。

御所人形御所人形

展覧会は上野の東京国立博物館の平成館で2月24日(日)まで。

35年ぶり?くらいの相撲観戦

Filed under: 日記 — ぱぐ @ 13:02:02

 魁皇関の幟旗

22日はついに、といいますか、やっとといいますか、両国の国技館で初場所10日目を観てきました。

幼稚園くらいの時に、母方の叔父の会社が枡席を持っていたらしく連れて行ってもらっているんですが、誰が出ていたか覚えていません。土俵が向こうに見えた朧気な記憶があります。それ以降はずっとテレビかラジオ観戦でした。

今回は大関魁皇をぜひ一度生で観戦しておきたい、ということでした。ついでに話題の朝青龍も観られればいいなというわけで。
家人も誘ったのですが月末に向けて忙しいし、今週仕事先に打ち合わせに行くかもしれないけど行かないかもしれない、というので当てにならないので一人で。ちなみに家人はいとこに誘われて花籠部屋の朝稽古を観に行ったことがあり、当時の横綱輪島は座っているだけで稽古はしなかったそうです(笑)。

着いたのがお昼過ぎ。自由席は売り切れだったので椅子席Bというのにしました。2回正面に向かって左側、正8列66番というところです。

一度券を買ってから上野の国立博物館へ。べつに書きますが「近衛家の至宝」という展覧会を観るため。

戻ってくると2時過ぎだったかな。入口で安美錦のクリアフォルダーをもらう。これは毎日違うのかな?それとも場所ごとに決まっているのか。
相撲博物館で「親子兄弟力士展」というのをやっていたので観る。わたしが知ってるのは先々代若ノ花と貴ノ花(若貴兄弟の父)の兄弟くらいからかなあ。若ノ花の現役は知らないかも。

1階のロビーをぐるぐる回り、何があるのか見て回る。
12じと2時にちゃんこの出店があるらしいが終わっていたよう。売店で食べ物を買おうと思ったら、魁皇弁当が目の前で売り切れてしまったので、あわてて反対側の売店に走り、焼き鳥と魁皇弁当と十六茶を買う。家人がいれば酒を呑んだかもしれませんが一人だと呑みきれないかもしれないし、別に呑まなくても平気なので(でも焼き鳥は買ってみた)。

魁皇弁当は焼明太子、明太子ポテト、高菜ご飯、鯖竜田揚げ、がめ煮(=筑前煮)が入っていました。
魁皇弁当の包み紙

魁皇弁当の中味

相撲ファンの友だちに教えてもらっていたのでラジオを持参。十両の土俵入りが始まったので一階のドアのところで観る。で、席へ行って「どすこいFM」という館内向けのFM放送を聴きながら観戦。この日の出演者は大鳴門(武雄山)、甲山(大碇)、佐ノ山(闘牙)、玉垣(智乃花)の各親方でした。

中入り後に永谷園から松茸味のお吸い物の素の差し入れがあり、ラジオを聴いている人は合い言葉を言えばくれる、大鳴門親方が握手もしてくれる、というのでもらいに行きました。その合い言葉は大鳴門親方がこのあいだ館内のカフェで食べたソフトクリームは何味でしょう?というもので、「モカ」。
わたしはちょうどソフトクリームを買いに出たところだったので、モカよりおいしいというバニラを持ってもらいに行きました。
「おっ、ソフトクリーム食べてますね。バニラおいしいですか?」
と言われました。手はやっぱり大きかった気がする。

大鳴門親方(武雄山)からもらった永谷園のお吸い物

取組の方は双眼鏡で土俵上をのぞきながら。十両の旭南海×霧の若から観たんだと思う。観客に、大村昆(砂かぶりに近いところ)、ペギー葉山と林家三平のおかみさんの海老名香葉子さん(小朝と離婚した泰葉のお母さんという方がわかりやすいかな)が隣同士(少し後ろの方)がいました。それもFMで教えてもらったのですが。

おもしろかった取組は、玉鷲×北桜、保志光×北太樹、旭天鵬×栃煌山あたりかしら。
時天空(×出島)のけたぐりはあれ?といううちに終わってしまい、よく観てなかった。決まるのは珍しいらしい。

魁皇×安美錦は好取組だと思ったのですが、相撲としてはそんなに面白くなかった。魁皇が勝ってほっとしましたが。あと一つで勝ち越し。先場所はらはらしながら観ていたので今場所は安心している。といっても体は万全じゃないのでけがのないことをまず願っているのですが。

横綱白鵬は、あれれ?という感じで負けちゃいましたね。
こういう敵失の時にすかさず勝ちに行くのが朝青龍なので、こりゃ気合いが入るだろう、と思ったらやっぱり万全でした。若の里は力が落ちたかな。いい相撲だったと思う。星を落とさずにこのまま並んでいくと朝青龍有利じゃないかな。気持ちで優位に立つと力を発揮する方だし。

長らく相撲を観ている者としては強い横綱、いい取組を観たいと思っているので、朝青龍騒ぎの現象だけ捉えてざまあみろみたいな人がいると腹が立ちます。品格うんぬんなんて、品格のない人が言ってたりするんだよね、いつもは観ていなくて。まず強くなかったら品格があったってしょうがないよ、勝負事なんだから。

人柄なんかでいえば魁皇が全盛のころに横綱になってしかるべきだったと思うけど(あの怪力に勝てる人はちょっといなかった、なぜあれで優勝回数が少ないのか横綱になってないのか不思議だ)、しょうがない、勢いが足りなかったんだろう。次の世代は日本人の横綱が出てもらいたいと思っていますよ。

弓取式をじっくり見られたのもよかった。

審判に錦戸(水戸泉)、貴乃花がいました。貴乃花が端然と背筋を伸ばして座っていたのが印象的でした。

取組中の土俵

取組終了後の土俵

2008/1/21 月曜日

MISIAのコンサート

Filed under: 未分類 — ぱぐ @ 19:35:09

20日はMISIAのコンサートに行った(さいたまスーパーアリーナ)。たしかデビューしてすぐ家人がCDを買ってきて、
「すごく上手!」
と騒いだのでそれからのファンだと思う。デビューして10年だそうだからファン歴も10年。チケットが取れないのでファンクラブに入っている(あと家人が入っているのは山下達郎)。

さいたまスーパーアリーナは改装したのか、女性トイレが増えたのと席番号がわかりやすくなりました。席はアリーナ席の左前の方。バンドメンバーの顔が直接わかったからかなりいい席だろう。

MISIAのバックバンドは山下達郎のバックバンドと重なっていて(ドラム青山純、キーボード重実徹=バンドマスター兼アレンジャー、ベース伊藤広規。今は参加していないがコーラスとオルガンの佐々木久美も)、なんとなくおなじみさん?な感じがする。この辺は家人がアマチュアバンドをやっているから興味を持ったことで、それまではバンドのメンバーってあんまりよくわからなかった。

ツアーの真ん中へんで同じ会場では2日目だったらしい。MISIAは高音が抜群にいいがのどがそんなに強くないので、チケットは取るなら1日目にすべきだったとのこと。すこし声がかすれていました。去年聴いた(新横浜アリーナ)のがすごく良かった。
アレンジを変えてバックバンドの音を小さめにし、MISIAの声が聞こえやすくなったとのこと。それと中音域がうまくなった、と家人が言っておりました。

最近のCDはちゃんと聴いてないので初めて聴くのが多かった。今「めざましテレビ」のテーマ曲をやっているのであれは知っているけど。
「星の降る丘」はやっぱり名曲だと思う。野外でのアコースティックライブ「星空のライブ」に行ったことがないので、それで「星の降る丘」を聴きたい。

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