2007/11/23 金曜日

「吉原手引草」を読む

Filed under: 日記 — ぱぐ @ 11:25:34

きのうは帰りに銀座に出て、博品館劇場で<「吉原手引草」を読む>という朗読舞台を観て(聴いて)きた。

『吉原手引草』(幻冬舎)は今年の直木賞受賞作で、作者は松井今朝子(まつい・けさこ)。松竹で舞台の仕事を長くやっていたそうで、そのあとは「ぴあ」で演劇担当。退職後は武智鉄二に師事して歌舞伎の研究と芝居書きをしていたという。そのあと小説の方に移った。

わたしはたまたま今年の直木賞受賞発表が載った「オール讀物」(文藝春秋)を買った。お目当ては丸谷才一と平岩弓枝だったのだが、『吉原手引草』の抄録や受賞記がおもしろかったので、ブログを探して読むことに。最近はプロでもおもしろくて読み応えのある文章にはなかなかお目にかからないから、貴重で愛読してます。

実はまだ肝心の『吉原手引草』を読み切っていなくて、舞台の前に買って移動の電車の中で読んだのだが、最後がどういう締めくくりなのか知らないまま聴くことになった。

この作品は全編一人語りでできている。葛城(かつらぎ)という花魁(おいらん、吉原で一番格の高い遊女)のことをある男が聴きに行くという筋なのだが、男の素性は隠されたまま、話をする相手が変わっていく、という趣向。会話形式ではありません。語り手は17名。遊女をあっせんする茶屋のおかみから始まって、男女いろいろ、年齢もいろいろ、というわけで、語り口にかなりの工夫があるんだと思う。

江戸時代の文学にはあんまり詳しくないんですけど、遊里抜きでは成り立たない。歌舞伎にも「助六」なんていう、花魁揚巻(あげまき)を愛人にしている江戸のいい男を代表にした演目は吉原が舞台ですよね。衣装だけ江戸東京博物館で見たけど、えらく奇抜な色の派手好みでした。

野暮の極致みたいなわたし(笑)が紹介すると、伝わりにくいかもしれませんが、『吉原手引草』はおもしろいですよ。吉原って何?という好奇心にも答えてくれるし、小説としての構成もしっかりしてるし、最後に事情が読めてからもう一度読み直すと、ははあここがこうなってたんだなと読めるので一粒で何度もおいしい(笑)。

肝心の舞台ですが、出演は三林京子と立川談春。三林京子は「桂すずめ」という高座名で落語もやってるんですね、知らなかった。お父さんと弟、甥が文楽の人形遣いだという。関西出身だそうで、だから江戸の言葉が大変だと終わったあとに言ってたのか。談春はいうまでもなく落語家です。
構成と演出は作者でもある松井今朝子。舞台の裏方を長くやっていたのだから、お手の物でしょう。

右側に「葛城」と書かれた提灯。これは吉原の花魁道中に使われた花魁提灯というものだそうで、中村京蔵という歌舞伎俳優が直木賞のお祝いとして作者に贈ってくれたものだとブログにありました。後ろの方に座ったのでよく見えなかったんだよなあ。帰りに前に行って見てくればよかった。

語るのは8名分。三林が男をやったり談春が女をやるのもありました。全部交替で出てくるのではなく続けてやるのもあり。落語だと登場人物全員を一人でやらなきゃいけないから、談春の方が慣れてて有利だったかな(笑)。
途中で仕事の疲れからか目をつぶって聴く方が楽になってきて、耳だけダンボにして聴いていましたが、おもしろかった。実際に人の口から語られると具体的に人物像が浮かび上がってきますね。

帰り際、ロビーに作者の松井さんがいたので、本にサインをもらう。先日ブログのコメントで上海蟹の食べ方についてお訊きした者です、というとわかってもらえたのかどうか、「ぜひ挑戦してみてください」と言われた。亀好きで飼っているそうだが、胸に金の亀ブローチが光っていました。思ったより小柄だった。

バーガーキングを食べた研修9日目

Filed under: 日記 — ぱぐ @ 10:58:39

研修9日目。週末に3連休が入るので、うれしい1日減(笑)。担当者は1日減るとやるつもりだったところができないとぶつぶつ言ってましたが。

パソコンの検索機能を使って前日よりむつかしい問題にチャレンジ。レベルも高いが問題数も多い。検索だけではだめで、資料も使わないと正確なところが出ない。ところが資料が何冊もあって7日間掛けてやったものだから、忘れているところも数々。あとで答え合わせをすると、「あ、そういえばこんなのがあった」というのが出てきた。

パソコンのある部屋は人が大勢いて、パソコンが多いのもあり、むやみと暑い。この日、一番の寒さというので裏張りのあるズボンの下にタイツまで履いていたのだが、パソコン部屋に移る時に脱ぎました(笑)。

お昼は同僚のYさんに誘われてバーガーキングのハンバーガーを買ってきて休憩室で食べた。担当者は2人、同僚スタッフはわたしも入れて10人。一番よく話しているのがYさんで、いろんなところで仕事してきたらしく、話の幅があっておもしろい。
バーガーキングは初めて食べましたが、なかなかおいしかった。一番基本のワッパーというのにオニオンリング、それとカフェラテのセットにした。

朝は紅茶とコーンスープしか飲めず、前日に懲りて一台速いバスにしたので、早めに着く。車中ではまた薄田泣菫『茶話』(岩波文庫)。茶話というのは文字通り「茶飲み話」のことです。ドトールに入ってサンドイッチとコーヒーを飲んだのだけど、ドトールって煙草のみが多いんですよね。なるべく人と離れた席にしたけど、煙くてちょっと閉口した。むかし父が吸っていたけど禁煙したし、家人もわたしも吸わないので、煙いのは苦手です。

来週から本仕事。ちゃんとできるんだろうか。ちょっと不安。まあ連休中はゆっくり休みます。

2007/11/22 木曜日

車中で朝刊を読んだ研修8日目

Filed under: 日記 — ぱぐ @ 6:51:25

研修8日目。バスが遅れ、電車も急病人がいたとかで遅れ、けっこうぎりぎりになった。朝はハムエッグを作って食べたのだが足りないような気がしたので、腹ごしらえにコンビニで明太子おにぎりを買ってから職場に向かうと始まるちょい前だったのであわてて休憩室で食べる。わたしはおにぎりの海苔が苦手で、自分で作るときは飯の固まりをいきなりラップで包んでしまう。今回も海苔は残してしまった。

きのうは朝刊を持って行き、電車の中でほぼ読み終わった。あんまり混んでいると広げられないが、それほどでもなかったので、座っている人のじゃまにならないようにごそごそやった。主な記事はPHSで見られる「共同通信ニュース」を昼休みに見たりするんだけど、小さな記事やコラムがけっこう大事なので、紙の新聞ははずせない。解説記事を読んでもよくわからないことって多いけど。

お昼は気分転換のためにサブウェイというサンドイッチの店に行った。サンドイッチといっても食パンにはさむのではないんです。詳しくはリンク先の写真を見てください。家人が好きで都内に行くとお昼に食べているらしい。最新メニューのクランベリーターキーにした。パンはハニーオーツ。それにミネストローネ。

そのあとスターバックスで「本日のコーヒー」(ケニアだったかな)のホットのショート(小)を飲みながら、薄田泣菫(すすきだ・きゅうきん)の『茶話』(岩波文庫)の初めの方を読む。薄田泣菫(1877-1945)はロマン派詩人だが、大正以後は詩作を離れ、新聞記者として活躍、「茶話」(さわ)は在籍していた大阪毎日に連載されたもの。他の媒体にも執筆しているという。人気コラムで、新聞が来ると真っ先にここから読む人が多かったとか。

名文であることは知っていたので前から読みたいと思っていた。1915(大正4)年執筆開始ということで、題材が当時のものやそれ以前なのはやむを得ない。今日読んだ中では、マーク・トウェインが演説上手のもう一人と一緒に船の上でお話会を頼まれて、相方に翻弄される話がおもしろかった。まだ最初の方しか読んでいないので、今日も持参するつもり。

研修は午前中いっぱいかかって、資料をごそごそかき回しながら紙の練習問題を解く。採点してもらったら90%くらいはできていて、この時期なら上等だそうである。最終的には97%くらいまでが目標なのだが、それはパソコンの検索機能も使ってのことなので、探しやすくはなるだろう。
午後は採点と解説、そのあとパソコンを使って、午前中に解いた問題を検索機能で探してみるということをやった。
今日はもっとむずかしい練習問題をやるとのこと。パソコンを使うかどうかは未定らしい。研修はそれでおしまいになり、来週からいよいよ本仕事に入る。
 

今日は銀座で行われる某イベントに行くつもり。連休前でよかった。ゆっくり楽しんでこようと思います。

2007/11/21 水曜日

足裏もみに行った研修7日目

Filed under: 日記 — ぱぐ @ 6:53:35

研修7日目。資料を読むのは午後の途中で終わる。7日間かかった。途中で駆け足になったが余裕ができたとのこと。あとは自習時間になった。

ところが午後からわたしは目が痛い、肩がこりこり、頭も痛い、となってしまい、自習に集中できなくなった。足もむくんできたみたいで痛い。とにかく早く終了時間になれ~と願っていた7日目でした。

朝は見えなかったが、夕焼けの中の富士山がきれいだったので写真を撮ってみました。ガラス越しなのと遠いのでちょっとぼけてます。
夕焼けの中の富士山

で、帰りに実に久しぶりに足裏もみに行った。金欠につき、一番短い25分でオイルを使うもの。いつものごとく、自律神経のツボである土踏まずの少し上の辺りが一番痛かった。どうもわたしは疲れると自律神経がやられるらしいんですよね。

で、夕飯を作ると遅くなるし肉をたらふく食べたくなったので、家人に電話して最寄り駅近くの牛角で焼き肉を食べました。少し元気になった気がする。

持って行った本は吉井勇の『東京・京都・大阪 よき日古い日』(平凡社ライブラリー)だったが、体調が悪くてほとんど読めなかった。吉井は歌人であるほか随筆や芝居書きもよくした人だが、酒と女の歌で有名な粋人だから、朝の激混み電車で読むのには一番ふさわしくない本であった。休みの日にソファでごろごろしながら読む方がまだいいのでは(笑)。
吉井勇の一番有名な歌は次のもの。
かにかくに祇園は戀し寝るときも枕の下を水のながるる
 

人物と時代背景、歌の真骨頂については松岡正剛の文章が詳しい。

2007/11/20 火曜日

中井貴恵を読んでいた研修6日目

Filed under: 日記 — ぱぐ @ 6:37:56

土日をはさんで2週目に入った研修6日目。
おととい自転車がパンクしたのだが考えがあって修理に出さず、バスで行った。一本速い電車に乗れたが、こちらは直通なので最初から混んでいた。途中まで本が読める方がいいな。

持って行ったのは中井貴恵の『父の贈りもの』(角川文庫)。前に他の本(『ニューイングランド物語』?)を読んだことがあると思う。ご存じの方もいるかもしれないが中井貴恵・貴一姉弟の父は佐田啓ニという松竹の二枚目スターだった人で、37歳の時(1964年)交通事故で亡くなっている。貴恵6歳、貴一2歳の時のことだった。
この本はその亡き父のこと、残された写真、最愛の人を亡くしたあとは母親役に徹して2人の子供を育てた母のこと、父の親しかった友人から聞いたエピソードなどをつづったもの。

わたしは65年生まれなので当然現役の佐田啓ニは知らないが、調布の映画まつりで「喜びも悲しみも幾年月」(木下恵介監督)は観たことがある。全国を転勤して歩く灯台守夫婦の話で、高峰秀子と共演。

中井貴恵は「連想ゲーム」に出ている人として覚えていて、映画やドラマはあまり覚えていない。貴一の方は「Age.35」というドラマの、あらゆる言い訳を作って不倫を続ける男の役が印象的。ピンチの場面になるとシャランQの音楽が流れるんですよね(笑)。奥さんが田中美佐子、不倫相手が瀬戸朝香、奥さんの学生時代の男友達が椎名桔平。男女の双子(小学校低学年)がかわいかったな。再放送で観たのですけどね。

中井貴恵の公式サイトにブログがあって、フラットコーテッドレトリバーという種類の愛犬ジャスミンのことを書いている。写真付き。かわいいです。

研修は休み明けで、練習問題はなくひたすら解説を聞いていく時間が続いて、みんなのため息が目立ったそうです(笑)。少し空気を替えようと思ってときどき質問をはさんだのだが、あまり変わらなかったかな。あしたの午前中くらいで読む部分は終わり、あとは練習問題に入るんだと思う。

朝寒かったので腰に貼るカイロを付けていったのだが、研修の部屋はあったかいので低温やけど寸前になったようだ。途中で違和感があったのではずしたのだけど、ケチることなかったね、着いたときにはずすべきだった。

2007/11/19 月曜日

晴天下の蔵開き

Filed under: 日記 — ぱぐ @ 7:16:30

去年も行った東村山市内の豊島屋酒造の蔵開きに行ってきました。
(去年の分ですが写真がリンクされてなかったので消してあります。小さいサイズにできない。困った)。

去年は確か寒かったのだが、今年は雲一つないお天気で気温もわりと高め、お燗よりは冷や日和だったんじゃないかな。

家人は藏の中は去年見たからパスすると言って、いきなり隣の試飲コーナーへ。えーとすいません、メモしてなかったのでなんだかわからないや。
隣にあったのが菰樽(こもだる)と大きな狸の信楽焼です。「金婚」というのがここの代表的な銘柄、明治神宮に納めているとのこと。わたしたちは東村山に来るまで知らなかったけど。あとこの辺の地元銘柄として「東村山」「きよせ」「ひがしくるめ」なんてのがあり、市内の酒屋では「東村山」の看板をよく見かけます。
komodaru.JPG

tanuki.JPG

試飲は4つありましたが、わたしは2つにしました。あとで呑んだのがこの日限定の「純米大吟醸無濾過生原酒」。香りがよかった。

あとは小さなビニールカップで有料で呑むところ。家人がここで「大吟醸 美意延年」(びいえんねん?)にしたところ、とてもおいしいというのでわたしも少しもらう。ほんとにおいしい。大吟醸だものね。売っていたのは720mlで5000円強くらいでしたが、そのカップ酒だと半合くらい(?)で500円だったかな。お得。自分じゃなかなか買えませんよね。家人が買ったのはさっき書いた「純米大吟醸無濾過生原酒」。
父が元気でここに来たら大喜びするだろうと思った。今は呑めなくなったのだけど、むかしある学園祭の日本酒試飲コーナーに同行したら、すっかり酔っぱらったことがあったので。

新潟柏崎市の震災被害支援のため、チャリティの甘酒コーナーがあり、これは今年もおいしかった。おいしく作るコツを訊いたら、

*1時間くらい前に酒粕をお湯につけて軟らかくしておくこと
*煮立てすぎないように加熱しながら、よくかき混ぜること
*泡立て器でもいいが、ハンドミキサーを使えばなめらかになる
*甘さはお好みで調整する

とのことでした。ごはんを炊くのと同じでいっぺんにたくさん作る方がおいしいとも言っていましたが、我が家ではそんなにできないな。酒粕はみそ汁に入れるのが好きなので(みそを減らしてその分入れる。ぽかぽかするので冬向き)二袋買いました。一袋甘酒にしてみよう。魚や肉を漬けるのに使う「練り粕」も売っていましたが、購入せず。

特設ステージでは、恒例のアンデス音楽が演奏されていた。酒蔵の人たちがバンドを組んでいるらしい。ポンチョみたいなのを着て、民族楽器で演奏します。

屋台は焼き鳥、焼きそば、ジュースなどの飲み物と子供用の綿菓子。あと地元のソースメーカー「ポールスター」がすき焼きのたれ、うどんつゆ(これは違うメーカーの委託販売かも)、薩摩芋スティックを売っていた。芋スティックがおいしくてほとんどわたしが食べ、満腹。他に「餅萬」というこれも地元の和菓子屋さんもお店を出していました。ここのみりんやお酒を使っているとのことで、お店を出しているのでしょう。

一升瓶のケースを逆さまにして板を乗せ、飲食コーナーが作られていました。椅子を持ってくる必要がないから楽ですね(笑)。
藏の前で飲食するお客さんたち

あと500円で大きな酒樽を売っていたのですが、あれは何に使うのかな。赤ちゃんの産湯用たらい代わりとか(笑)。その場でお持ち帰りできる方に限る、とありました。直径7,80cmはあるんじゃないかな、試しに持ち上げてみたけど重かった。一人だけおじさんが担いで持って帰るところを目撃しましたが、ご近所じゃないと無理だろうな。酒樽の写真は撮るのを忘れちゃった。

6月には500円で「呑みきり一般公開」というのをやるそうなので、今度は行ってみたい。タンクの中の熟成中のお酒を封切りしてその年の出来を確かめるのだそうです。

2007/11/18 日曜日

久しぶりの休日と読んだ本の補足

Filed under: 日記 — ぱぐ @ 8:03:05

土曜日は起き抜けに洗濯をし、久しぶりにだらだらと朝ご飯を食べ(9時台になっていた)、溜まった新聞を読む。仕事を始めてから新聞を読む時間が取れないのが痛いですね。夕刊にささっと目を通す程度かな。文化面を見たいので夕刊も取っている。

朝は弁当用のおにぎり作って朝ご飯食べて、前日に書いたブログをアップ、時間があれば洗濯する程度。夕飯の準備はムリ。だから帰り道に「今日は何が作れるかなあ」と考えるんだが、レパートリーが少ないし、家人は待ってるので時間のかかる物はNG。金曜は豚バラのかたまり肉がソフト冷蔵(包丁で切れる)になっていたので、ポークシチューにしましたが、8時になってしまってわたしも腹ぺこ。週末だからいいけど、こんなの週の途中じゃできないな。

家事の中ではごはんを作るのが一番苦手です。好きなのはアイロン掛け。綿のシャツが好きでカフスボタンが付けられるように、わざわざオーダーで何枚か作りましたが、今は1枚しか残っていません。襟替えしてもらえばよかったんだよね、失敗した。

このあいだマッコイ・タイナーをブルーノートで聴いたときに持って行った本がおもしろいので書いておきましょう。
立川昭二『病の人間史 明治大正昭和』(文春文庫)
著者は1927年生まれというから今年80歳か。北里大学の先生だった人で、文化史・生活史から病気と医療を探る本を何冊か書いているみたいです。
取り上げられたのは樋口一葉、中江兆民、正岡子規、乃木希典、夏目漱石、松井須磨子、野口英世、竹久夢二、宮沢賢治、斎藤茂吉の10人。
いずれも教科書にも載っているような有名人ばかりですが、著名人というよりも一人の病に苦しむ人間としての側面を追求しているのが独自の視点で、医師ならではじゃないかと思った。

漱石が体の不調のことをやたらと日記にも小説にも書いているのに対し、宮沢賢治にはほとんどそういう記述がない、というのがなるほどねえと思いました。神谷美恵子は一時期宮沢賢治に傾倒していた時期があって日記に頻出するのだが、考えてみると彼女もあまり体の不調の細かいところは書いていないのだった。東大精神科医局にいたころ、顔の左右どっちだったかに違和感があると悩んでいたというのは、西丸四方が思い出話の中に書いておいてくれなければわからなかったことかもしれない。

昭和10年代のジャーナリズム年表を作っていて思ったのは、このころって思想状況がてんでばらばらでいろんなことが主張されてますよね。一つの考えでみんな整理できると考える傾向が右翼も左翼も軍部もあったと思うんだけど、それって人間の体でいうと精神が体全体を統御できるというようなことにならないかしら。よく考えてみるとそんなことはありませんよね。精神も体の状態の一つに過ぎない。だから熱が出たりすると精神の方もうまく働きません。

話が飛ぶようですが、村上春樹が走ることで体を鍛え、書くための生活を作ってきたというのは、まず体あっての作家活動であるということを意識してきたからじゃないでしょうか。
わたしが書くものはアマチュアの感想程度に過ぎませんが、でもほんとに深くいろいろ考えるためには疲れているとだめですね。40過ぎて体力の落ち目を感じるせいか、「ほんとに頭が働いてものが書けるのはせいぜいあと20年くらいだろうな」と最近は思っている。

2007/11/17 土曜日

野菜の漢字クイズの答え

Filed under: 散文・文章 — ぱぐ @ 8:13:14

11月10日のクイズの答えは次の通りです。いかがでしたか?

1.トマト=D.蕃茄
2.さつまいも=F.薩摩芋
3.じゃがいも=H.馬鈴薯
4.アスパラガス=L.石勺柏
5.かぼちゃ=A.南瓜
6.とうがん=O.冬瓜
7.レタス=M.萵苣
8.かぶ=C.蕪
9.キャベツ=E.甘藍
10.にんじん=N.人参
11.きゅうり=J.胡瓜
12.なす=K.茄子
13.セロリ=B.塘蒿
14.ほうれんそう=I.菠薐草
15.れんこん=G.蓮根

鷲津名津江を読んでいた研修5日目

Filed under: 日記 — ぱぐ @ 8:10:42

きのうは研修5日目。目覚まし時計が壊れたので前日新しいのを買ったのだが、スヌーズ(繰り返し鳴る)付きにしなかったのは失敗。一度止めてまた寝てしまい、家人に「君、起きないの?」と起こされたんである。

朝から寒かったので自転車をやめ、バスで駅まで出る。乗った電車は例の乗り換えると混む時間のもの。持って行ったのは、昔「小鳩くるみ」という芸名で歌のお姉さんをやっていて、今はマザー・グースの研究者になっている鷲津名津江(わしづ・なつえ)の『ようこそ「マザーグース」の世界へ』(NHKライブラリー)10月1日のブログにも書いたが、鷲津さんはマザーグース学会の会員。直接お目にかかったりといったことはないが、情報交換の輪には入っているようだ。9月の関東支部例会の際には、この本の元になったNHK人間大学の第1回の映像を見た。

歌だからメロディもわかるともっと楽しめるのだが、わたしが知っているメロディは「ロンドン橋が落ちる」とか「きらきら星」とか、限られている。英語の歌のCDは持っているが、最近聴いていないので忘れてしまった。ipod nanoは他ので一杯になってしまったので今は抜いてある。

アガサ・クリスティーは上流中層の家庭に育った人なのだが、当時のこの階層の恒例として子供のころは、ばあやに育てられ、学校教育は受けず家で教育を受けた。というわけで、たぶんばあやなどからマザー・グース(英国の言い方だとナーサリー・ライムズ)を教わったのだと思う。それで推理小説にあんなにたくさん、うまく使って書いてあるわけですね。自伝を読んでも本人がマザー・グースに言及しているところはなかったが、ないということはそれだけ特に意識することなく生活に溶け込んでいたということなんだと思う。

研修は第一週が終わって、説明する方も受ける方もホッとしたというのが実情でしょうか。しかし研修は研修であって、実地となるとまたいろんな困難が待ち受けているようです。来週も2日間くらい研修が続く予定。そのあとはパソコンを使って練習問題を解き、再来週から本番に入ります。一日中パソコンをにらむという仕事はやったことがないので、どんな感じになるのかなぁ。

きのうは時計を買うので電気屋に寄ったが、今日はジュンク堂書店に寄って、15分ばかり気になる物をチェックしてきた。もし行けたら来週あるイベントの時に持って行くつもり。わたしが本屋に寄って15分で済むというのはかなり画期的なことなんですが(笑)、夕飯を待ってるひとがいるのでそれで終わりにしたわけでした。

2007/11/16 金曜日

里見弴を読んでいた研修4日目

Filed under: 日記 — ぱぐ @ 7:14:57

きのうは4日目。前日は10時にふとんに入った。ちょっと夢を見た気がするが、ほぼぐっすり眠ったと思う。

一本早めの電車に乗り、スターバックスでソーセージマフィンみたいなのを食べる。ちゃんと温めてくれるのだった。

里見弴(さとみ・とん、1888-1983)の『文章の話』(岩波文庫)を持って行った。「弴」という字は弓偏に亨保の改革の「亨」と書く。もしかしたら字が出ないかもしれません。化けていたらごめんなさい。「きょうほのかいかく」もATOKは覚えてなかったけど……

里見弴は有島武郎の弟に当たる。花柳小説(芸者や遊女などを題材にしたもの)が多いというが、読んだことはない。丸谷才一が批評の中で取り上げていたことがあった。花柳小説は永井荷風なんかも書いているが、荷風は好きな人がいてときどき取り上げた物を見かけるけど、里見弴の詳しい研究は進んでいないという。

有島が雑誌の女性記者と軽井沢の自分の別荘で心中したことは前にも書いたが、里見は「兄貴は女のことを知らないからああいうことになるんだ」と言ったという。

この『文章の話』は「日本少国民文庫」(全16巻、新潮社)という、少年少女向けに作られた文庫の一つで、昭和12年刊行。もう戦争がすぐ始まるという時期で、日本国内の雰囲気はよくなかった。

子供向きのせいかもしれないが、とても読みやすくて感心した。文章読本というより、まずその前の前置きが長い。まず文章を書く人間がどうできているかということについて説明しているので。「むずかしいことのやさしさ」「やさしいことのむずかしさ」というのは、わたしもいつも感じるので共感。
小林秀雄はこのころ書き始めた人だが、<3行で済むところを10ページに書く>(笑)ので、試験なんかに出るとすごく迷惑だった。あんなのをありがたがる(元)文学青年というのはどうかしている。

「言葉は思想を伝える道具ではない、文章は思想を伝える道具ではない。」
「文字による思想の発表が文章である。」

というのも共感した。言いたいことをそのまま盛らないとだめだと思うのですよね。だから激怒すると言葉がきつくなったりするんだが、わたしの場合。持って回った言い方(書き方)しかできない人っているんだが、それじゃ相手には伝わらない。過不足なく伝えなければ相手には伝わらない。

というわけで、わたしも日々、どうやったら自分の書きたいところが表せるのか、何度も読み返して足りなければ書き足すし、表現としてよくなかったら別の言葉を使う、などしてブログを書いています。

研修は一つ大きな山を越えたが、今日も午後はかなりつらかった。居眠りはしなかったですけど。あと一日で休み。週末はゆっくり英気を養おう。

« 前ページへ次ページへ »

HTML convert time: 0.519 sec. Powered by WordPress ME