2007/10/30 火曜日

神保町古本まつりに行く

Filed under: 日記 — ぱぐ @ 8:20:43

神谷美恵子関連の本を探しに、神保町古本まつりに行ってきた。

学生のころから何度も行っているが、こんなにはっきり目的を持って行くのははじめて。都内に越して神保町に出やすくなったのはありがたい。我孫子からだと1時間半くらいかかったが、東村山だともう少し近いから。

予算を限ってその中でどう買うか考えながらの購入だったが、すこし足が出てしまいました(笑)。

1.島崎敏樹『心で見る世界』(岩波新書、1960)
2.西丸四方『病める心の記録』(岩波新書、1968)
3.松隈俊子『新渡戸稲造』(みすず書房、1969)
4.鈴木俊郎編『回想の内村鑑三』(岩波書店、1956)
5.太田愛人『野村胡堂・あらえびすとその時代』(教文館、2003)
6.藤倉四郎『カタクリの群れ咲く頃の 野村胡堂・あらえびす夫人ハナ』
(青蛙房、1999)
7.『アルプ 特集 串田孫一』(山と渓谷社、2007)
8.関容子『女優であること』(文藝春秋、2004)

1と2の著者は兄弟で、2人とも精神医学者。西丸が兄。作家の島崎藤村の従兄弟に当たる。島崎敏樹は美恵子が精神医学に興味を持つきっかけを作った人。西丸四方は東大精神科医局時代の同僚で、美恵子が関西に行ってからは気安く話せる電話での相談相手であったらしい。

3の新渡戸稲造は美恵子の両親の恩師で、仲人でもあった。美恵子幼少の折りは祖父的な存在だったと本人が書いている。下の妹の命名者でもあった。

4の内村鑑三は日本のキリスト教無教会派の創始者。若いころの美恵子は無教会派の影響を強く受けていて、父前田多門の知り合いはその関係が多かったし、いろいろな質問・相談相手もそういう関係の人が多かったようなので、鑑三のことは欠かせない。東大精神科医局に入ったときの主任教授は鑑三の息子の内村祐之(ゆうし)という関係もありますし。鑑三の本はなにか読んでみないといけないだろうけど、まずは人物を知りたいと思って。いちばん欲しかった内村祐之の自伝『我が歩みし精神医学の道』(みすず書房)は見つからなかった。
キリスト教の本はいろいろあって迷ったのだけど、別に信仰しようと思っているわけではないので専門的な本は図書館でもいいやと思って眺めるだけにした。

5と6は美恵子の初恋の人が野村胡堂の長男で、もしその人が長生きしていれば胡堂が義父になった可能性があるので、欠かせないと思っていた。美恵子は若いころ自分の母親に対してかなり批判的だったようで、野村夫人ハナが理想の母親像だと日記に書いているのでそのこともある。野村胡堂は「銭形平次捕物帖控」の作者として有名だが、わたしは読んだことがないしテレビ番組もちゃんと知らないので、まずは作者を知ることから始めようと思った。

7の「アルプ」は登山の雑誌。串田孫一は美恵子の成城高女時代の知り合いで、スキーなんかの時一緒になったらしい。フランス語を習う暁星中学高校に在学した串田はフランス語で文通する約束をしたのだが、自分はとてもかなわない、みごとなフランス語だったと書いている。
串田は仏文学をやった人でエッセイを読んだことがあるけど、山の方のことは知らないので。詩や哲学も守備範囲だし、ラジオのDJもやっていたという。自由劇場にいた串田和美(俳優、演出家)のお父さんだと言えば、ほーと思う読者もいるだろうか。

(訂正:串田が暁星に通ったのは小学校と中学でした。あと大学の専攻はフランス哲学。渡辺一夫の愛弟子の一人というから文学だと思っていた)

8はおまけです。ちょっとのぞいたらおもしろかったので息抜き用に。関容子はノンフィクション作家。堀口大學のことを書いた『日本の鶯 堀口大學聞き書き』(講談社)がおもしろかった。歌舞伎俳優に取材した本が多いんじゃないかな。
これは長岡輝子、加藤治子、丹阿弥谷津子、岸田今日子、奈良岡朋子、吉行和子、佐藤オリエ、三田和代、冨士眞奈美、渡辺えり子、波乃久里子、富司純子に聞き書きしたもの。渡辺えり子以外はこどものころから見ている人たちなのでなつかしくなった。
この人たちがそろって「いい男だった」とほめたのは有島武郎の長男、森雅之だったという。有島もハンサムだものね。幸田文原作の「おとうと」(作家役)に出た晩年の森雅之しか観たことがないので、もうちょっと若いころの映像を観たいな。

神保町は広いのでいろんな店があるが、きのうは見たことないところも見てみようと思い、色紙類や古書籍(和綴じの本)が置いてある店や、みわ書房という絵本児童文学専門店をのぞいた。色紙の字が良かったのは堀口大學。艶笑詩を得意とした詩人らしく、なにかそういう文句が書いてあった。
みわ書房はマザー・グース関連の本があるかなという軽い気持ちで行ったのだが(買うつもりはなかった)、見あたらなかった。店頭には出していないのかもしれない。フェルディナンドという犬を主人公にしたポーランドの児童文学書がなつかしく、ちょっと中身をのぞく。

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