2007/10/17 水曜日

図書館で借りた5冊・その2

Filed under: 未分類 — ぱぐ @ 8:47:36

清瀬の図書館でまた5冊借りた。
今度はめずらしく絵本が入っている。

1.あまんきみこ作、上野紀子絵『ちいちゃんのかげおくり』(あかね書房、1982)
2.丸谷才一・編『恋文から論文まで』日本語で生きる3(福武書店、1987)
3.齋藤昇『「最後の一葉」はこうして生まれた―O・ヘンリーの知られざる生涯』(角川書店、2005)
4.E.M.フォースター『フォースター老年について』大人の本棚(みすず書房、2002)
5.塩野七生『三つの都の物語 緋色のヴェネツィア 銀色のフィレンツェ 黄金のローマ』(朝日新聞社、1999)

1.中高の同級生のがなから「影送り」という言葉を教えてもらったので。ネットで調べると、この本が小学校の教科書に載っていたことがあるらしい。日本国語大辞典に載ってなかったので投稿するための資料としても使った。投稿したのはこちらです。

2.丸谷才一の関係するものは翻訳でも編集でも一通り読むことにしている。この本は前から読みたかったのだけど古本屋では見たことがなかった。
作文心得集で、ウルサ型の編集者(大久保房男)が作家の文章のヘンなところを指摘したものや、中野重治が左翼の「戦旗」という雑誌の読者のためにわかりやすく書こう、と呼びかけるもの(読みやすくて文字通りのお手本)、ドイツ文学者高橋義孝の「国文学者の悪文」など。司馬遼太郎が正岡子規と文章日本語の成立について書いたものも入っている。

「文章力の向上」は高校生のころから心がけているから、おもしろかった。丸谷には『文章読本』(中公文庫)という自前の文章講座の本もあります。

3.ヘンな日本語に当たると腹が立つのでどちらかというと翻訳物はあんまり読まないんですが、O・ヘンリーは中学生のころから好きだった。うちにあるのは新潮文庫の3冊本で、大久保康雄の翻訳。好きなのは「よみがえった改心」「アラカルトの春」「多忙な仲買人のロマンス」「桃源境の短期滞在客」「水車のある教会」「心と手」「都会の敗北」など。

作者の生涯とかプロフィールはどんな本(ブログ)を読むときにも気になるので、あとがきにあった紹介でO・ヘンリーの生涯の概略は知っていたんだけど、改めて読んでみるとおもしろい。地図と年譜をつけて欲しかったな。いろんなところに住んでるんだから位置関係がわかった方がより楽しめるでしょう。

アメリカではO・ヘンリーの評価は上がったり下がったりしているらしい。日本でもそうだけど、評論家の言うことって半分当たって半分はずれているから、そんなに気にすることないと思う。評論するために作品があるんじゃないんだから。読者が一番大事。長く読み継がれてきた、ということにまず意味があると思う。

4.四十代のくせになんで、と言われそうですが(笑)、実母や家人の母の心理状態にずっと迷惑してきて、もう向こうは老年なので、なにか参考になるかと思って。自分が年寄りになったときの心構えになれば、という気持ちもあります。
あとはイギリス好きだし、E.M.フォースターは「眺めのいい部屋」「ハワーズ・エンド」「モーリス」を映画では観ているんだけど原作は読んでいないので読みたいと思っている(みすず書房に著作集あり。評伝も面白そう)。

5.塩野七生も一通り読んでみる作家の一人。この人もはずさない物ばかり書くからうれしい。ずっと読み続けるためには作家の書く物に読み応えが要る。知的な読みものというところもわたし好み。
小説にしては説明が多いなあ。日本人になじみのない国&時代の風俗を扱っているからなんだろうけど、もうちょっと工夫の余地がありそうな気がする。まだ読み終わっていない。期限に間に合わないので、いったん返してしまった。

リンク<図書館で借りた5冊>2007.10.2

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