ミス・ポター
パソコン教室の帰りに新宿に出て、映画「ミス・ポター」を観た。
<ピーター・ラビットのおはなし>など、ビアトリクス・ポターの絵本は愛読した児童文学のひとつ。イギリス好きのルーツはこんなところにもある。今はうちに本がないのだけど、結婚したときのお祝いにウェッジウッド製のピーター・ラビットのティー・セットを友達に所望した。
10年前の英国旅行では湖水地方にも行ったし(バスツアーで時間がなかったのでヒルトップ農場には行けなかったが)。
ビアトリアスがヒルトップ農場を買い取ってナショナルトラストに寄付したこと、年配になってから弁護士と結婚したことは知っていたけど、自分の本を初めて出してくれたノーマン・ウォーンとの悲恋は今回の映画で知った。
最近ずっと神谷美恵子のことを考えていて、ブログにもずいぶん登場させているけど、彼女も若いころに相思相愛だった人を病気でなくしているので、そんなことを考えながら観ていた。
あと、ノーマンとの結婚に強力に反対する母親が出てくるが、わたしも自分の母にめちゃくちゃにされた交際があったし(今でも許し難い出来事)、神谷美恵子が初恋を成就させることができなかった原因のひとつに母親の反対があったので、二重三重にいろいろ考えさせられた。
ほんとうに育ちのいい人だったらああいう行動には出ないんだよなあ、というのはわたしの母にもビアトリクスの母親にも見て取れることで、社会的な成り上がり者というのは自分が出た階層を切り捨てることで、何かを得たような気がするのかもしれない。
プログラムにきのこのスケッチが載っているが、すばらしい写実画。菌類の研究をしていたというのは聞いたことがある。女性が学会に参加することが許されなかった時代なので、論文は受け入れてもらえなかったそうなのだが。
福音館から伝記が出ているらしい。そのうち読んでみよう。
『ビアトリクス・ポター―描き、語り、田園をいつくしんだ人』(ジュディ・テイラー著、吉田新一訳、福音館書店、2001)