なつかしの絵本と児童文学あれこれ
神保町のみわ書房でなつかしい本を見かけたので、なつかしの絵本と児童文学をあれこれ書いてみたいと思います。
わたしの両親は2人ともがんばって大学に行った人たちなので、本を読むのはお勉強というつもりがかなり強かったんじゃないかな。あんまり楽しんでる風ではありませんでした。クラシックを聴くのもそうだった(そのへんが長じてのち反発を感じる所なんですが)。
というわけで、両親は正統派大好き。子供の本は岩波か福音館でした。
わたしの初めての絵本は今「ミッフィー」と言っているディック・ブルーナ「うさこちゃん」のシリーズで、あの単純な線と色。福音館ですよね、たしか。調べると、「うさこちゃん」と訳したのは石井桃子だという。ほー、最初の絵本からお世話になったのか。
シリーズで講読していたのは福音館の「こどもの友」「かがくの友」で、だるまちゃんシリーズとか「ぐりとぐら」とか、「いやいやえん」(単行本?)とか、科学の方では「海」とか「星」とか子供向きなんだけど解説がしっかりしてるもの。かこさとし(加古里子=男性です)という名前をよく覚えているんだけど、だるまちゃんシリーズのほかに科学の方も書いていたのかもしれない。福音館のサイトで画像を探していたら、『とこちゃんはどこ』という懐かしい本を見つけた!松岡享子が文なのだけど、この人、神戸女学院大学で神谷さんに習ったのじゃなかったっけ?絵は加古里子です。すぐ迷子になっちゃう男の子の話。
あと、ドレミファブックというレコード付きの絵本も毎月だったか買っていたようで、岸田今日子ナレーションの「長靴をはいた猫」を覚えています。今ないんですってね。実家では子供が大きくなってから近くの保育園か幼稚園に寄付したと言っていました。
小学校1年の時に、石井桃子が下訳して井伏鱒二が日本語を整えたドリトル先生のシリーズ(岩波)を誰かからもらって、これはずっと愛読していました。中2で数学の先生と喧嘩して理数系がわからなくなっちゃうまでは獣医になろうと思ってたくらい(笑)。そのせいか、人形よりもぬいぐるみが好きで、ティッシュを細長く切った包帯を輪ゴムで止めて、獣医さんごっこをやりました(笑)。
弟はファンタジーが好きで、『指輪物語』とか『ナルニア国物語』とかを愛読していましたが、わたしはもうちょっと現実的なのが好きだった。ドリトル先生シリーズで動物がしゃべるというのは空想ですが、描かれているのは19世紀(?)のイギリス社会ですから。
イギリス好きなのはたぶんドリトル先生の影響が一番最初で、次がこの間、伝記映画を観たポターのピーター・ラビットなどの動物絵本(福音館)じゃないかな。これも石井桃子の訳なので、「いしいももこ」という名前にはかなりなじんでいます。
で、中1で英語を習い始めたときに先生が「基礎英語」というラジオ番組を聴いてごらんなさい、と言ったので聴き始めたらマザー・グースの歌を土曜日に流していた、というふうにつながってきます。小島義郎という早稲田の先生だったけどもう亡くなったかしら。歌はキャロライン洋子でした。
きのう書いたフェルディナンドという犬の話は、『おきなさいフェルディナンド』(ルドヴィク・J・ケルン・作/内田莉莎子・訳/岩波書店)『すばらしいフェルディナンド』(同上)というシリーズ物で、ポーランドの児童文学。どんな国かぜんぜん知らなかったけど、ビゴスというキャベツの煮込み料理がおいしそうとか、いいなあ犬が出てくるよ、しかも洋服着て立って歩いて(紳士風)とか、そんなことに気を取られていたんだと思います。団地なので犬が飼えないというのはつまらなかったから、飼うんだったらドリトル先生の愛犬からジップという名前にしようか、なんて空想をしていました。
もうちょっと大きくなってからデフォーの『ガリバー旅行記』(岩波)を読んでいますが、これはオースティンの時に書いた中野好夫の訳なんですよね。中野好夫は英文学者で父の本棚の方にも『シェイクスピアの面白さ』(新潮選書)とか『アラビアのロレンス』(岩波新書)とかいろいろあったので、名前はおなじみでした。
あと何があったかなあ。『星の王子様』(内藤櫂・訳、岩波)も読んでるけど、あれは弟が好きな種類の本だったかもしれませんね。
あ、おさるのジョージのシリーズがあった(岩波)。弟はこどものころ「じょーじ」というあだ名が付いていて(笑)、このシリーズが大好きでした。友達のうちに男の子が生まれたときにこの最初のシリーズをあげたことがある。今は続きのシリーズが出ているしアニメにもなってるらしくてびっくりしますが。
まだありそうなんですが、長くなったので今日はここまで。