富本憲吉展@世田谷美術館
左:色絵竹と菱更紗模様瓢箪形大壺、中:色絵紫四弁花模様飾筥、右:色絵金彩羊歯模様飾壺
きのうは世田谷美術館で、富本憲吉展を観てきた。
中高のころ、同級生に
「幾何学模様が好きだよねえ」
と言われたことがあって、確かにわたしはチェックとかアーガイルとかが好きなのである。シャツにスカート、スーツも模様入りで、組み合わせに悩む。
富本憲吉(1886ー1963)はその幾何学模様が美しい色絵磁器で有名な陶芸家。昨年が生誕120年に当たっていて、京都を皮切りに全国各地で巡回展覧会が開かれているところ。
この間行った国立近代美術館工芸館や小田急美術館で観たことがある。何回か前に奈良に行ったときは生家跡に記念館があるのを知って訪ねた。
この人、美術学校では建築専攻で図案を勉強したのだという。陶芸はたまたま英国人のバーナード・リーチと日本の陶芸家の連絡役を務める必要から自分も実際に作ってみて、そこから始めた。陶芸の方はまったくの独学。
わたしは晩年の金銀彩(一番上の右)よりも、その前の色絵磁器(同の左や中)が好き。模様もみごとだが、形の造形がぴったり決まっている。
中のような飾筥(かざりはこ)がたくさんあったんだけど、これは実用としては何に使うのかなあ。中にも表とは違う色模様が付いているので、何か入れるにしてもかなり色の具合を気にしないとむずかしい。
昭和30年代に撮られた白黒のテレビ画像で、羊歯(しだ)模様をつけているところを観たが、下書きなしでひとつひとつ根気よく描いていくのだった。幾何に強かったんじゃないだろうか、建築専攻だし(笑)。
左から葉書、上:陶印、下:酒器の図案/中:記念館で求めた箸置5組/右:今回買ったぐい呑み5組
展示品には徳利以外の酒器がなくてとても残念だったのだが、写しのぐい呑みがミュージアムショップにあったので買った。これで燗酒を呑むのが楽しみ。